まだ読んでないのですか?
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「まだ読んでない」という人が羨ましい。このどんでん返しの切れ味を次々と味わえるのですから。
江戸川乱歩は小学生時分のポプラ社の少年探偵団もの以来でしたが、とても楽しめました。
乱歩に親しむ
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江戸川乱歩。名前は知っていても作品は未読の方や、幼い頃少年探偵団シリーズを読みふけった方。
是非とも乱歩の短編を、この本をきっかけに読んでみて下さい!まず題名に惹かれること間違いなし。傑作選とあるだけに、入門には最適かと思われます。
重苦しい空気に浸った後に、現実世界に戻ってこれた安堵感が病みつきになる。それを味わって頂きたいです。
灯台もと暗し
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本が好きで、ミステリーが好きですが、読む本が増えると、外れに当たる回数も増えてくるのです。
日本の昔の著名な作家の作品にはあまり興味を持てず、名前は知っていても食わず嫌いでしたが、古本屋さんで、安く売っていたことと、短編だったこともあって購入したら、大当たり。
お腹が冷える怖さを与えてくれる、粒揃いの傑作ばかりです。
乱歩を初めて読む人はこの本から入るのが正解だと思います。
かならず、他の作品も読みたくなる程はまること請け合いです。
心底恐ろしいのに、独語はジェットコースターに乗った後の様な爽快感でいっぱいでした。
これは、アマゾンでも、好評価だろうと、見てみたら、思った通り。 レビューが多いものには、書き足すのは無意味と思い、普段は書かないのですが、これは、別で、書かずにはいられなかった。 学校で無理矢理読まされたりしなければ、著名な人の作品をこれほど毛嫌いしなかっただろうに、と今までの時間が残念でなりませんが、古本屋でこの本に出会えたのは不幸中の幸い。 著名な人の食わず嫌いは勿体ないと、わからせてくれた本です。
脳に直接攻撃??
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私、いわゆる少年探偵団シリーズって読んだことがないのです・・・
普通の清き正しい??人たちは、まず、二十面相と明知探偵、小林少年の知恵比べにドキドキする小学生時代を経て、「二銭銅貨」「屋根裏の散歩者」「赤い部屋」「芋虫」の世界に入っていくのでしょうね。
個人的には、乱歩の神髄は短編にありと思っております。そういう意味ではこの本はなんとも贅沢のセレクション。すべてが、名作、傑作といってもいい。『二癈人』、『D坂の殺人事件』が若干不満が残りますが、とは言え水準以上の作品であることに間違いない。これが、540円で入手できる。お安いですね。
我々は、目で現象を見ていると思っていますが、「目」はある意味レンズにすぎず「脳」で見ているといえなくもない。原理的にいうと、「目」を介さず「脳」の直接信号を送っても「見た」と感じることはできるはずなんですね(素人かんがえですけど)。乱歩って『赤い部屋』「屋根裏の散歩者』にしても視覚イメージが華やかって印象が一見あるけど、個人的には乱歩の魅力ってむしろ、「目」を介さないで直接「脳」に攻撃を受けてくる・・・イマジネーションのすごさではないかと。
『芋虫』の軍人さんのおぞましさも『屋根裏の散歩者』の題名そのままんまの屋根裏を徘徊する主人公のイメージも視覚的でありながら、受け取った読者のイマジネーションが作り出しているもの。『鏡地獄』のあれなんて、実際もし映像化されたら、意外とたいしたことないかもしれない・・・でも読書として体験するとまあ、恐ろしいこと、恐ろしいこと。まさに「脳」に直接攻撃なんです。
横溝作品に比べて、乱歩作品の映像化はイタダケナイものが多い。おそらく、横溝作品の視覚的イメージって極めて具体的で映像しやいけど、乱歩のそれは、読書の脳の中にあるからなのでは・・・などと考えてしまいます。
・・・と言う訳で「江戸川乱歩」を体験するなら読書で・・・しないといけないのだ!!と思う次第。
うーん、それにしても540円は安いなぁ。
怪奇小説への扉といえる一短編選
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江戸川乱歩の世界を覗いてみるには最適な一冊です。収録作品は、探偵モノは少なく怪奇モノが大半を占めています。作品の雰囲気やストーリー等、この一冊を読めば乱歩にハマルか否かが判る事でしょう。また、黒く淫靡な物語が好きな方、陰鬱な昭和の雰囲気が好きな方はお手に取ってみてはいかがでしょうか。表紙の仄暗いトンネルは、この陰鬱な江戸川乱歩の怪奇な世界への入り口のようではないですか。