編集者やDTP作業者のための一冊
★★★★☆
DTP作業をたびたび行っていたため手にしてみました。
この書籍は編集者やDTP作業に携わる方のためのもので,一般の方に需要を喚起するものでは必ずしもないと感じています。むしろ編集者やDTP作業者など文字組版に携わる方にはこの書籍の知識は必要でしょう。
P71の「波状ダッシュ」の拡大サンプルと組版用例での形が若干違っていたりという組版作業の甘さがややありますのでその点をマイナス1とさせていただきました。
句読点、記号・符号解説本の決定版
★★★★★
コンピュータで扱うことのが出来る記号や符号のほとんどを網羅しているのではないか?
そんなことを思わせるほど、質・量ともに充実している。
特に読み方や名称の分からない文字などは扱いが面倒だが、この辞典があれば余計な手間を
かけずに入力や指示ができる。
たとえば‘々’という文字を出す場合に、「佐々木」と打って前後の文字を削除するのと
いきなり目的の文字を呼び出すのでは、背後のギャラリーの反応も違ってくる。
(「おなじ」で変換できるのは割と知られているので、そんなに驚く人もいないのだが)
知らなかった記号や読み方を間違えて覚えていた記号などが確認できて、かなり有難い。
PCやMacの書体によっては呼び出せない記号や文字もあるのだが、それも事前に確認でき、
無駄で見苦しい検索&確認作業から解放されるのが嬉しい。
普通の人には一生縁が無いような記号なども数多く採録されており、ちょっとした時間に
気分転換の目的で眺めたりするのも悪くない。
こういう辞典を持ってしまうと、とにかく珍しい記号を片っ端から使ってみたくなる、と
いう人も出てくるだろうが、傍目に非常に恥ずかしいので、なるべく避けるのが良いと思う。
意外と言うか、個人的に無駄だと思ったのが、「!?」と「?!」が紹介されていること。
最近の日本語では「?!」は意識の流れの点でも見た目のバランスの点でも、存在理由を
失っているような気がしないでもない。
過去や海外での使用例があるから載せたのだろうが、正直言って「ダサイ」ので
なるべくなら使わないか、「!?」だけを使うのがベターに思える。
※画期的な一冊!
★★★★★
今までありそうでなかった辞典です。
確かに不必要なほど多くの記号類が収録されていますが「へ〜」「ふーん」という蘊蓄雑学本として“読んで”みればそれはそれで十分に楽しめます。
画期的というのは、一般の辞典なら当たり前の「例文」がすべてに付けられている点。よく、まあ、集めたな!というほど、様々な例文が載せられ、分類されています。
当初は句読点の使い方を知りたくて購入したけれど、結論から言うと「正しい使い方はない」ということのよう。でも、豊富な例文と詳細な解説で、「もっとも正しいと思われる」使い方ができるようなりました。
歌を表す山のような記号や十字架風の記号など正式名称がわかって楽しかった反面、+やーで音楽分野での使用法に触れていないのは寂しいけれど仕方のないところでしょうか。
普通の人には必要ないほどの記号
★★★☆☆
句読点、記号・符号が詳しく載っています。私としては「」『』などの使い分けが知りたかったので、その点は参考になりましたが、いかんせん、不必要な記号が多すぎます。トランプマークや数学記号やどうでもいいマークなどなど別にこの辞典で知らべなくてもいい。
記号に対する文字コードが充実しているので、一般の方というより、プログラム開発室に一冊置いておくといった類の辞典だと思いました。
分量からいっても新書あたりで出してくれれば良かったのにと思いました。
むつかしい読点「、」の打ち方
★★★★★
何がなんと言っても、読点「、」をどこに打ったらいいか、これほどむつかしいものはない。
人により、時と場合により異なるのだ。まず、本書がきちんと書いてくれていたら、それだけで評価してもいいくらいである。期待して読んでみると、6頁にわたって読点「、」が一般に用いられる場合を例示しながら詳述されている。それでひとまず満足したのだが、あらためて「主語」の次にはどうなのか、見直してみた。書かれていない。ということは、ここで読点はつけないということだろう。しかし、現実にはつけたり、つけなかったりしているので、言及しないのが妥当かもしれない。
本書は、『句読点、記号・符号活用辞典。』という書名をもつ図書。総花式である。読点の微妙な打ち方までには踏み込めない。「私は反対です」「私は、反対です」のどちらもあり得ることを併記することで、説明はしない。「長い主語には打つ」などとあいまいなことを言わない方がいいのだろう。
「たかが句読点、されど句読点」というのが、本書を開いてみた私見・実感である。