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病む月 (集英社文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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女心はわからない・・・ ★★☆☆☆
変な表現ですが、「良質な昼ドラ」と感じました。
ショート10話が、短い中で巧みに心理を描いてあり、終わり方も一捻りあって、うまい作家だなと思うのですが、
全ての話が、男性の私が共感できないという意味で女性的、かつ題名の通り「病む」方向なので、
読後感は軽く苦しさを感じるモヤモヤしたものでした。
女ってのはやはり男とは全く別種の生き物なんでしょかね・・・? ★★★☆☆
彼女の短編集はどれも巧妙なプロット、女性たちのリアル(なのだろうと、女性をよく解さない男の私は思ってるのですが・笑)な人物描写の隙ない集積で、いつも「ほお、なるほど〜」と、感心させられっぱなしなのですが、その実力はやや異常といえるかもしれないこの作品たちの世界でも
遺憾なく発揮されており、単なるホラー的な怖さだけでなく、人間ドラマとしての重厚さも
そなえた秀作となっています。
 この本に限らず、唯川作品はいつも私の甘い女性観(こうあってほしいという理想像)を気持ちよく?打ち砕いてくれます。
「女性は我々男性と生物学的に若干の違いがあるだけの同種の生き物」などではけっしてなくたまたま男性同様にふたつの目耳、20本の指などを持ち、二足歩行をするといった解りやすい
共通点があるだけで、実は真の理解など到底できないまったく異種の生き物なのかもしれないな・・・なんて思いをさらに強くさせられる一冊でした。お〜、こわッ!!
不純愛小説集 ★★★★☆
この短編集は〈マトモ〉な恋愛小説ではなさそうだったので、読む気になった。文庫になったので、というのもある。数年前に単行本で出た時にも実はちょっと興味を魅かれていたのである。題名から分かるように「病的」つまりその〈マトモでなさ〉に、なのだが。
 で、期待は裏切られなかった。どの短編もそれぞれ全く違った、様々な女の「病的」な人生を描いていて、実に面白い。恋愛小説というより、ホラーだったりミステリーだったり、そっちの領域の方が近い。あるいは異常心理小説。
 大体〈恋愛小説〉というジャンルにおいては、男性作家よりも女流作家の方にはるかにアドバンテージがあるように思われる。女にしか女の心は分からない(男にとって女は「存在論的他者」)のだから、当然と言えば当然かもしれないが、〈恋愛〉というのは男女双方がそれぞれに営むものなのだから、〈恋愛〉というものの描き方において作家の能力が男女で違い、女が優位であるのはどうしてなのか?という疑問があった。女にだって男の心は分からない筈で、お互い様ではないか?と。
 思うに、その違いは「プロとアマ」の違いに近いような気はする。女は恋愛のプロであり、男はアマチュアである、と。「女の命は恋だから、恋に溺れて流されて…」という歌があったと思うが、これは結局、今までの男性優位社会のもたらす女の依存的立場にその淵源があるのではなかろうか? つまり、いかに強い男をたらし込み、安定した生活を獲得するか、ということが女の生殺与奪の権を握っていたために、恋の手練手管を磨くことが女の本性となったのではないか?このため女は恋愛のプロとなったのだ、と。
 だとすれば、女流の方が男性作家よりも〈恋愛小説〉において優れているのももっともだということになるが、概ねそういう文才はいわゆる「純愛」の世界を描くことが多いように思われる。〈恋愛小説〉は基本的に「純愛小説」である、のがデフォルトであろう(不純な恋なんか描いても誰も感動なんかしないだろうし)。といっても〈恋愛〉の起源自体が、上述したようにいわば〈保身〉(あるいは利己的遺伝子の生存戦略)目的に由来するとしたら、「純愛」のどこが「純」やねん!?ということにもなってしまうのだが…。いや、実は「純愛小説」では恋愛の本来的機能である打算や功利を超越した、それこそ無私の一種宗教的境地を描くことが多いようなので、むしろ「純愛」は女の恋愛機能の暴走あるいは誤用もしくは錯乱、なのかもしれない。
 さて、翻ってこの短編集はその逆の「不純愛小説」集である。いや一部は「純愛」と呼んでもいいようなのもあるが、大体が「病的」で「異常」で「ヘン」である。その一種珍奇さがちょっと下世話な興味深さを醸し出す。こういう変則的な愛の世界は、やはり女にしか書けないのではなかろうか。男は単純でロマンチストなので、「女はけなげで強く逞しい」的な先入観を持ちがちなのだが、どうしてどうして、同性である女流作家が描く女の病的な諸相はなかなかに異様であり、迫力がある。結末が読めてしまうのも何作かあったが、全編面白く読めた。
女という生き物 ★★★★★
この作品は恋愛小説、ではありません。
ホラーです。

女は怖い生き物です。そして強い。

男性が読むとさらにおもしろく感じるのではないでしょうか。
勉強になりますよ。

女は怖い… ふふふ
ズバリ怖い!!! ★★★★☆
女についての10編の短編集ですが、どの話も平凡な暮らし、平凡な毎日なから始まります。なのに、読み終わるとすごいぞくっとするし、ショックでも影響でもないんだけど、本当に読み応えアリだったな!!って感じです。怖いんだけど、ラストが気になって、10編全てすぐに読み終わっちゃいました。ハッピーエンドじゃないから、読み終わった後にぐったりくるけど(笑)、たくさんの人に読んでもらって、この世界を体験してほしいと思います。