閨の心境変化が見どころ
★★★★★
この3巻は、空らの旅に新たなる展開が訪れる。
前半では空とポチの強い絆が描かれている。
絆というものに人間と動物という隔たりはないのだと教えてくれる。
何より「家族」と呼ぶことにためらいのない空がすがすがしい。
やや薬馬の活躍が少ないのが気になるが、そこは2巻に譲ろう。
そして中盤では、閨の話が中心となる。
前巻の登場以来気になっていただけに、夢に向かって頑張って
ほしいと思う。
後半は久しぶりに空の嘘爆発といった感じで読んでいて気持ちが
よかった。
やっぱり主人公たるもの、悪を颯爽とやっつけてこそ。
「誠意の賜物」という話も清涼感ある内容だった。
やたら正義を主張するわけでなく、誰かのためと気負うわけでなく、
ただひたすらに自分の信じる道を行く。
次はどんな嘘で敵だけでなく読み手を煙に巻いてくれるのか、
楽しみにしている。