いつも犠牲者は弱きもの
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東京大空襲。ヒロシマやナガサキ、そしてオキナワの悲劇と同様に語られなければいけない史実だとは思うが、
ほとんどの人は知らないだろうし、知ろうともしないだろう。
ページをめくるごとに居た堪れなくなる。
当時の日本国民があわれになる。必死になって国家の言うとおりに、敵と対峙しようとする姿は、
今見ると滑稽さと悲惨さがないまぜになってしまう。多分当時でも上手く立ち回る人間は安全なところにいたのだろう。
亡母が横浜生まれで学童疎開や空襲などのことを話してくれた。子供心にも恐怖で仕方がなかったと言っていた。
学童疎開先では食料の不足、家族と離れて暮らす事の寂しさ、そしてお決まりのイジメ。
余りの恐怖に家族で疎開しようとして、北国に来るまでの困難さ。
前書きにある昭和7年発行の水野広徳の「興亡の此一戦」をなぜ軍部は発禁にしたのか。
発禁にするのであれば、これを否定できる対策をなぜ取らなかったのか。今更の事ながら愚かだった。これは軍国主義ではない。
軍国主義は、国家の総力を挙げて戦争を遂行すること。これはセクショナリズムでしかない。
そして、いつの時代でも悲惨な被害を被るのは弱者である。
それにしてもなぜルメイに勲章をやったのか?ずい分前にこの事実を知ったときには激怒した。