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EQ こころの知能指数 (講談社プラスアルファ文庫)

価格: ¥1,029
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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前半部分は参考になるが・・・ ★★★★☆

 本書ではまずは情動の定義を行う。情動とは何であるのか、それはどのような働きかけを人にするのか。筆者は情動の意味を、刺激に対してすばやい反応を可能にするためのシステムであると位置づけている。またそれを、「時代遅れの警報システム」であるともし、それゆえにこの情動をコントロールする必要性を訴えている。
 ついで筆者は、よく取り上げられるIQとEQの違いを説明する。IQだけでは人生は必ずしも幸せなものにならず、自分の才能を最大限発揮するためにはEQが大切な要素であるとしている。そのEQの中でもとりわけ重要な能力として、「メタ認知能力」を筆者は上げている。メタ認知力とは、自分が今どういう状態であるかを客観的に把握する力のことである。人は、自分のことは自分が一番よく知っていると考えがちであるが、往々にして人は激情に流された行動をとることを例に挙げ、多くの人は自分を客観的に捉えることができていないとしている。この「メタ認知能力」が、自分をコントロールするためのEQであるとするならば、他人との関係でより直接的に働いてくるのが、共感能力であると筆者は位置づけている。
 のちに筆者はこのEQの考え方をいかに社会で応用するかについてのべている。また、このEQは才能ではなく伸ばすことができるとしており、このEQを伸ばす鍵は家庭教育にあるとしている。また、今後は公教育の場面でもEQをのばすような教育が重要になってくると述べ、筆をおいている。

 前半部は全体的に面白かったです。特に、情動が刺激への大まかな人の反応を決めているという議論は初見で、興味深かったかなと思います。まぁでもそれ以上に有用なところはそこまでなかったかもしれません。
お子さんがいらっしゃる方は、後半部もすごく参考になると思います。

以下、抜粋(修正あり)
 情動を失うと、記憶に意味づけがなされない。ゆえに、理性的な判断を下すためには感情は不可欠である。まずある刺激に対して情動が大まかな方向性を示し、その後理性が正確な判断を行う。もし情動がなければ、人の刺激に対する処理能力はパンクする。

 怒っている人間に対処するにはまずその人の意識をそらし、次にその人の気持ちや視点に共感し、それからもっと生産的な気分になれる別の話題に関心を引き寄せる、情動の柔術のようなもの。

 個々の具体的な問題が結婚生活を壊すわけではない。むしろ、夫婦の間でこうした問題をどう話し合うかが結婚生活の行方を左右する。意見の不一致をどう認め合うかについて意見を一致させることが、結婚生活を長続きさせるコツ。

 問題は、医療関係者が肉体的な症状には対処してくれるが患者の感情面には一切配慮してくれない点にある。

 セルフサイエンスの教育内容
 1 情動の自己認識
 2 情動をコントロールする能力
メタ認知を行い、メタ認知で把握した自分の状態にいかに対処するか・・・。
EQという眼鏡を通して世の中をのぞくと、これまでと違った風景がみえる ★★★★☆
NLPやエモーショナルインテリジェンスについて調べていて手に取った。
著者のゴールマンは心理学がベースのジャーナリストで、EQ=心の知能指数という概念を一般に広めたのは、ゴールマンのこの著作だそうだ。

人間の能力はなにも頭の善し悪しだけじゃない、ゴルフや野球が上手な人もいるし、絵や漫画がうまい人もいる。ピアノやバイオリンが上手な人もいて、いろんな能力があるのは誰でも知っている。が、これらと同じように、感情表現が豊かだったり、相手の感情をよく理解できることを「能力」として捉えることは、本書が世に出るまでは一般的ではなかった。人間には、感情に関わる能力、というのがあって、この能力が社会生活のなかでとても大きなウェイトを占めている。この能力をエモーショナルインテリジェンス(=EI)といい、その能力の程度を表す指数をEQという。そんなことは、きっと何千年も前からみんな知っていたが、こうして改めて命名することで、ずいぶん世の中がすっきり見えてくる。ああ、この人はIQは高いけどEQは低いな、とか、IQはさほど高く感じないけどEQは抜群だな、とか。昨年流行ったKY=空気が読めないも、EQが低い、という大きな概念のなかにすっぽりはいるだろう。

本書ではしかし、EQ、すなわち感情能力の数値化にはほとんど言及していない。生活の多様な局面で、感情という能力が確かに存在すること、そしてその能力が実はIQなどよりも人生ではずっと重要であることを、たくさんの事例をあげて説明している。EQを明確に数値化できないことで、心理学者の多くはこの考え方に批判的だと聞くが、学問的な精密さはさておき、直感として「感情の知能」の高低はあきらかに存在していると思う。

誰もが知っていたことでも、新しい言葉を与えられ、それでもって世の中を見渡すとこれまでとは違った光景が見えるのはほんとうに不思議だ。まずは一読をお勧めしたい。
内容が専門的 ★★★☆☆
一般書と学術書をミックスしたような本です。脳科学の説明は一般の人向けではないのでは?と思いました。

ただ、幸せになるためにはIQではなく心の知能指数であるEQが高くないといけないという作者の意見には説得力があります。

結婚や子ども、教育、職場などいくつかカテゴリが分かれているので必要なところ、また科学的な説明については読み飛ばしても問題ないかと思います。

脳内の分泌液の説明をされても、1週間もたたないうちに頭の中からすべて忘れ去ってしまいます。
コミュニケーションのメカニズムを解明してくれた ★★★★★
 私は感情のコントロールが苦手。それゆえいやな思いをたくさんしてきました。最近は、コミュニケーション改善やアンガーマネジメントといった本を参考に改善する努力をしています。
 社会生活やプライベートでも誰かとのコミュニケーションなくして生きていけません。そのコミュニケーションが自分を含めて周りの人達にも良い影響を与えられる人になれたら、どんなにすばらしいかと考えています。
 そうなるための、ヒントをたくさん教えてくれたのがこの本です。特に二つのヒントにインパクトを受けました。

1.情動のハイジャックが起こるメカニズム
 脳のしくみから、なぜ感情に支配された「怒り」や「不安」が起こるのか。

2.情動のハイジャックを避ける方法
 この情動のハイジャックを避ける方法を身につければ、「怒り」や「不安」に悩まされることから開放されます。多くのアプローチが実例を含めて説明されています。

 コミュニケーショントラブルが起こったときに、自分と相手が
・なにをきっかけに
・どんな気持ちになって
・どうして欲しかったのか?
 を一歩立ち止まって共有することで、回避できると学びました。

 このような取り組みを職場、プライベートでも少しずつ経験していくことでEQが向上していくんだと思います。自分と他人を理解すること。これを実践していきたいと思います。
知・情・意の調和と連動 ★★★★★
10年以上前のベストセラーとあなどるなかれ。現在でも目新しい人にとっては十分に目新しい、情動の働きとその重要性が豊富な事例でつづられている。昔の人は知・情・意と人間の本性をよく捉えていたものだが、実は「知」も「意」も「情」があってこそのものだということがこの本からよく分かる。昨今ブームになっている行動経済学や神経経済学でも、またぞろ同じようなことが喧伝されているが、その事実はそのまま、当時の「EQブーム」が一過性に終わってしまっていたことを意味するのではないだろうか。いずれにせよ、名前や形を変えてでも啓蒙と発展を要する分野であることは議論を待たない。

快を求めて難を避けるのは、生物として最も原初的な機能であり知性であることは進化論的に考えても理に適っている。人間の脳もそうした「情」をつかさどる大脳辺縁系を包み込むようにして、「知」と「意」を生じさせる大脳新皮質を発達させているが、どちらが主にも従にもなりうるようだ。また、「情」は「知」と「意」をかき乱すこともある一方で、「情」が無ければ物事の判断という「知」は機能せず、自らを何かに向けて突き動かす「意」もまた生じ得ない。そうしたプロセスとメカニズムを、大脳生理学的な知見を基盤として、教育、医療、職場、家庭、スポーツなどの領域での研究によって概観し、幼少期のあるべき情動教育の試みに話が進んでいく。とりわけ示唆的なのは、「情」を自らの「知」や「意」とだけでなく、他者の「情」とも調和させる術の重要性だ。

それぞれの分野での最新の動向を追うための下地として、また、自らの健全な生活を実現するための指南書ないし理論書として、現在でも有用性は色あせていない。