骨身に染みる一作
★★★★★
『魔術師の夜』以来のキャロル・オコンネル翻訳新作。
故郷の田舎町に20年ぶりに帰郷した元陸軍捜査官が自身も深く関わる弟の死の真相に迫る中で、周囲の人々の隠された側面が次第に明らかに…という筋立てはシンプルで目新しいものではありません。
それでもページを繰る手が止まらないのは、誰も彼もが一筋縄ではいかない登場人物たちの魅力によるもの。
真犯人捜しのミステリーとしてはほとんど破綻しているとも言える展開ですが、この人間模様の描写はやはりミステリー仕立ての設定があってこそかもしれません。
この作者らしい皮肉とブラックユーモア、ある意味、おとぎ話めいた雰囲気は健在で、これが読者の好き嫌いが分かれるところだと思いますが、ノン・シリーズ前作『クリスマスに少女は還る』に感動した人には、ぜひお勧めしたい。
読者それぞれの骨身に染みるような一文に必ず出逢えます。
骨身に染みる一作
★★★★★
『魔術師の夜』以来のキャロル・オコンネル翻訳新作。
故郷の田舎町に20年ぶりに帰郷した元陸軍捜査官が自身も深く関わる弟の死の真相に迫る中で、周囲の人々の隠された側面が次第に明らかに…という筋立てはシンプルで目新しいものではありません。
それでもページを繰る手が止まらないのは、誰も彼もが一筋縄ではいかない登場人物たちの魅力によるもの。
真犯人捜しのミステリーとしてはほとんど破綻しているとも言える展開ですが、この人間模様の描写はやはりミステリー仕立ての設定があってこそかもしれません。
この作者らしい皮肉とブラックユーモア、ある意味、おとぎ話めいた雰囲気は健在で、これが読者の好き嫌いが分かれるところだと思いますが、ノン・シリーズ前作『クリスマスに少女は還る』に感動した人には、ぜひお勧めしたい。
読者それぞれの骨身に染みるような一文に必ず出逢えます。