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殺人者の顔 (創元推理文庫)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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’90年代スウェーデンを代表する新たな警察小説シリーズの登場 ★★★★☆
ヘニング・マンケルの<ヴァランダー警部>シリーズ第1弾。スウェーデンの新しい警察小説の歴史が本書から始まった。

舞台は、スウェーデンの最南部の田舎町イースタ。その近くの村で農夫が惨殺される。虫の息だった妻も病院で「外国の」と言って息を引き取る。怨恨か、金銭がらみの諍いか、動機も定かではない殺人事件の捜査に、わずかな手がかりを元にイースタ署の刑事たちの地道な捜査が始まる。やがて犯人は外国人という噂がマスコミに漏れて、移民排斥を標榜するものからの脅迫電話、ついにはソマリア人の殺害事件まで起こる。

本書における警察小説の面白さは、リアリティーに富んだ現実の捜査活動がしっかりと描かれており、かつ真犯人を追い詰めたと思ったらそうではなく、終盤に至りなんと半年以上も経ってから急転直下の解決を見るところである。

また、イースタ警察署のヴァランダーを中心とした、緻密で粘り強い警察の捜査活動と同等に、彼の人となりや私生活に詳しく触れている点も特徴的である。妻に逃げられ、復縁を願って泣いてしまう姿や、娘や父親との良好とはいえない関係。自分は古いタイプの警官でもうやっていけないと憂鬱な気分になったり、飲酒運転をして仲間に助けられたり、既婚の美人検察官に言い寄ったりと、その種のエピソードには枚挙に暇がない、決してカッコいいとはいえない中年太りの警官で、コミカルなものさえ感じさせるが、本人はいたって大真面目なのである。このキャラクターこそが本書の、そしてこのシリーズの最も愛すべきところなのだろう。

さらに、かつて、<ヴァランダー>シリーズの四半世紀前に、私も読破したのだが、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー夫妻によって書かれた<マルティン・ベック>シリーズがすぐれた警察小説であると共に、’60年代半ばから’70年代半ばにかけての世界情勢からスウェーデンが受ける影響や内部の社会問題をも描いた“年代記”だったように、このシリーズも’90年代のスウェーデン社会の問題、本書では外国からの移民・亡命問題が深く関っている。それが、本書をして一層深刻で重みのある物語にしている。
「wowowで」と「ミステリチャンネル」で放映決定 ★★★★★
Kurt Wallanderという風采の上がらなさそうな中年の刑事が信頼できる部下の協力で、いっけん単純な事件の背後にある「闇」を暴いて行きます。スウェーデンが舞台というと、寒い国の田舎っぽい事件を扱っていると思えます。しかし、北欧という特殊な地勢の問題、旧ソ連との確執、移民や麻薬犯罪など、知る人ぞ知るという状況を巧みに使って、濃厚なシリーズに仕上がっています。
ようやく日本でもTVシリーズが放映されます。まず、「スウェーデン警察 クルト・ヴァランダー」というタイトルで「ミステリチャンネル」がスウェーデンの作品を。そして「刑事ヴァランダー白夜の戦慄」全3話(「目くらましの道」「混沌の引き金」「友の足跡」)がwowowでBBCのシリーズ。どちらも楽しみですね。
本国では、大人気シリーズなので、娘Linda Wallanderが活躍するシリーズもあるようです。
第一作にしてこのおもしろさ! ★★★★★
クルト・ヴァランダー・シリーズの第一作。
著者はスウェーデンで大人気の作家ヘニング・マンケルで、
1990年代のスウェーデン社会をうまく描写した小説と
評価されている。
実際、小説の中では外国人に対して差別的な見方をする者たちや、
移民排斥運動が行われていたことを表すことが書かれている。

クルト・ヴァランダーは決してハンサムで知的な刑事ではない。
中年太りで離婚経験があり、娘は家出して連絡もうまく取れない、
父親との関係もうまくいっていない。
オペラが趣味で、酔っぱらい運転をして部下に捕まってしまう、
そして、夫のいる女性刑事を抱こうとして自己嫌悪に陥る、
そういう刑事なのだ。
逆を言えば、こんな刑事ならどこかにいそうだなと思わせる。

舞台はスウェーデン南部のスコーネ地方、そこからさらに田舎にいった
ウスターレーンと呼ばれる地域のイースタ。
小さな村で老夫婦に起きた悲惨な事件。それを綿密に捜査し、
時には直感で行動するヴァランダー。
リードベリ、マーティンソン、ハンソン、スヴェードベリ等の
個性豊かな同僚とともに事件を解決していく様子は、何とも
言えないおもしろさがある。

人口約900万人のスウェーデンで200万部以上売れている驚異の小説。
日本で言えば、2000万部近く売れたことになる。

読めば読むほど、ハマっていく小説ではないだろうか。
真面目で上品で無駄が無くてデラ好み ★★★☆☆
本格推理としてはワクワク感もサプライズも無いが、
福祉国家・人権擁護国家のスウェーデンの刑事達がとても魅力的。
被害者が70過ぎの老人夫婦でも、
正しく殺人者に怒りを燃やす主人公達はまともである。
老人を尊重し、若者に媚びない大人の為の警察小説。
主人公は妻に逃げられ、一年間セクースしてないので、
仕事で知り合った人妻を思わずレイプしそうになるのだが、
女に平手打ちをくらわされ正気に帰り、
恥ずかしくて消えてしまいたいと思うのが魅力的。
男に都合の良い性欲を受け止めてくれる女なんかに遭遇しないという
真っ当な話である。
娘とも仲が悪く、イアン・ランキンのリーバスシリーズに似ている。
リーバスほどぶっとんだキャラではないが、
とても期待出来る。
マスゴミ批判や人種差別問題とか、
社会性溢れるテーマ性はいいが、
直感や偶然の要素があるので、推理小説としては並以下。
日本が恐怖の全体主義国家になった時、
亡命する候補としてスウェーデンもありだな。
スウェーデンは無条件に移民を受け入れ、
現在の人口の五分の一は、元ぎゃあじんだそうです。
ルーマニアのファシスト政権についていた人物でも、
とりあえず国内には入れる。
審査して国外退去ということも有り得るが、
亡命希望者が多過ぎて、
国内の移民逗留バラックの管理が間に合わず、
住むところを提供するが、スウェーデン人の管理人がいない施設もゴロゴロしていて、
退去させようと思っても、別の施設に勝手に移住してたり、
どこかに消えていることもあるそうです。
偉そうな男の管理人は居なくても、
食堂のおばちゃんは居るのはさすが福祉大国!
さわわんのつれづれ書店 ★★★★☆
<母親のおすすめ>
 スウェーデンでおきた老夫婦の惨殺事件。老女は「外国の・・・」という言葉を残して息をひきとる。
 スウェーデンっていうとまず「ゆりかごから墓場まで」っていうイメージでした。でもこの事件の背景には、移民を拒まない政策のため悪化した治安、外国人排斥運動がからんできます。
 犯人さがしを通じて、ガイドブックからはわからないスウェーデンの姿を感じることができました。登場人物も魅力的!