「おそましい」の一言に尽きる
★★★★★
まず、グロテスクな内容に耐性の無い方にはお勧めできない。とにかくおぞましい。
話に引き込まれるにつれおぞましさが加速する。
精神科医である北島早苗の恋人がアマゾン調査隊に参加するところから物語が始まり、調査隊メンバーはアマゾンでのある出来事を期に次々と残酷で不可解な自殺を遂げていく。
それに付随して次々と繋がっていく断片、明るみになってくる真相、極限状態に置かれ狂った人間の深層心理。
貴志祐介の作品は「青の炎に」に次いで今回で二冊目だが、最初の数頁以降は頁をめくる手が止まらなかった。
非常におぞましくも面白い作品でした。
お願いだから映画化は止めて
★★★★★
今まで貴志さんの小説は人間の根底にある恐怖や不安に着目した所謂人間心理を巧みに付いた作品だと勝手に思っていましたがこの作品は少々違います。
まあ人間心理というのはいつも通りですが今回は寄生虫です。実は私、地震雷火事親父は怖くないですが虫だけは怖い(気持ち悪い)んです。特に蜘蛛と微生物系が…理科の実験で虫を顕微鏡で見たり第二分野にあった柔毛を見た時の鳥肌と気持ち悪さは一生忘れません。
話がそれましたが今回も期待通り怖かったですがお願いですから映画化だけは止めて下さい。青の炎・黒い家・イソラと映画化されてるので不安で不安で
不気味なことは不気味
★★★☆☆
確かにきちんと調べられている(のかな?)作品なんですが、貴志祐介の作品で期待していただけに肩透かしをくらったかも。あまり怖くなかったです。不気味なことは不気味なんですが。
病状と描写がリアル、感染はウィルスというより思想・・・
★★★★☆
多くの予備知識はないまま、「黒い家」にインパクトを受け、
夢中で読んだ。
ヒロインは「強い」。そしてこの気持ち悪い出演者たちは「弱い」。
恐ろしいほど知的に生きてきた人々が、何をどう
間違ったか、あるxxxに侵入され気持ち悪くなってしまう・・・。
この作品がどこまですごいか、僕には書けない。
ただ鮮明に、悲しい末路への誘いがつきまとう。
最後の最後・・・逃げて欲しかった。
誰にも、どんな人にも追うことのできないであろう場所へ、姿を消して欲しかった。
異質
★★★★★
黒い家と甲乙つけがたい作品です。設定から人物まで恐ろしく緻密に突き詰められ、計算しつくされているため疑念を挟む余地が皆無です。一冊の本に隙間なくリアリティを詰め込んでおり、伏線の回収もまた見事です。 あまりに異質な内容なため先が読めないことこの上ない、それでいて期待を裏切らない展開の見事さに、驚きます。ホラーファンの私にとって、ワクワクドキドキを伴う一般的な恐怖とは明らかに次元の違う、精神を揺さぶるような不安と戦慄を感じました。 黒い家と天使の囀りを読んでから他の作品があまりに陳腐に感じるようになってしまったのは私だけではないはずです。