マドレデウスのサウンドを特徴づけていたチェロとアコーディオンが抜け、ウッドベースが加入。さらにキーボードもメンバー交代した。しかし新メンバーの提供した曲も違和感なく溶け込んでいる。意外なほどにうまく新体制へ移行したようにもみえますが、明るい曲調が増えて以前のサウンドに感じた「切なさ」のようなものはやや後退したようにも思えて、少々複雑な思いをしたことも事実。特にインスト曲がないせいか、全体の構成としてはややメリハリに欠ける感もあります。しかし一曲一曲を聴き込めばそれぞれの完成度は高く、より広く世界へと出て行こうとしているかのようなバンドの姿勢はやはり肯定されるべきでしょう。日本盤は「風薫る彼方へ」という原題の「天国」を意味する言葉とはかなり違ってましたが、イメージとしてはなかなかあっていましたね。