西洋絵画の歴史の教科書
★★★★★
美術館に行って絵画を鑑賞するのは好きなのだが、いわゆる『名画』と言われるものにあまり感動したことはない。
ただこの書籍に触れて、名画の「西洋絵画の歴史」としての楽しみ方を学んだ気がした。
いわゆる『歴史書』とすれば、この一冊は私の教科書である。
巨匠のコメントが面白い
★★★★★
一風変わった美術史のガイドです。だれでも知っているような名画の図版が並び、現代では「巨匠」とされている画家たちが同時代に生きた画家に対してどのような見方をしていたのか、が本人の言葉を借りて1,2行でコメントされています。それが面白くて、たびたび手にとってパラパラと眺めてしまいます。美術というものも単に天才がアトリエにこもって独自の道を追求した結果生まれるのではなく、同時代の画家とのインタラクションのなかで醸成されていったものだということが、よく分かります。
絵画自体の図版はかなり小さいのですが、かなりたくさんの面白いコメントが収められているので、この本を作るのは手間がかかったのではないかと思います。画家自体への人間的な興味も湧いてきますし、美術というものに本格的な関心を得るきっかけにもなるであろう、とても良い本です。
気楽に楽しめる美術史と絵の見方
★★★★☆
絵に決められた「見方」があるかどうかは賛否両論と思いますが、美術史と時代時代の絵の特徴を簡単に知るには便利な本で気楽に楽しめます。
ルネサンス〜20世紀美術まで、その時代の絵画の特徴とともに代表的な絵が全編カラーで紹介され、その絵に対して画家本人や同時代・未来の他の画家の意見が添えられている。
またところどころに画家どうしの影響の受け方や、影響を受けた絵の比較もこれまたカラーでちりばめられ、とても解りやすく面白い。それぞれ簡単な説明なのでまず絵画初心者が浅く広く知識を得るにはもってこいの本。
絵画の歴史を眺めていると、もともと形(オリジナル)がないところから生み出される音楽とは違い、視覚を絵として移し替えていた絵画がいかに視覚の模倣から脱却し絵画の存在意義を確立するのかという画家達の苦悩や情熱や試行錯誤の跡も垣間見れておもしろい。
まず本書を読んで、その後少しづつ専門的な本に進んでいけば知識が深まりやすいような気がします。
でもこの本にも載っている「画家の言葉より画家が仕上げた作品を信じよ」というホックニーの言葉が、そもそも絵を楽しむのに知識って必要か?と自問自答させますが。
画家のコメントがおもしろい。興味本位に楽しめる西洋美術の世界。
★★★★☆
よく見かける有名絵画について、さまざまな時代の画家がコメントしていて親近感が沸きます。
ライバル関係にいる画家同士の辛らつな言葉や、同じ画家でも絵によって矛盾したコメントがあったりして、巨匠とはいえ人間なんだなあと思ったり。
挿絵やコメントが中心になっていて、どこからでもすらすら読めますので、ルネサンス以降の西洋美術を鳥瞰するのには最適かと。知らない間に画家や作品名を覚えられました。
学問研究としては物足りないと思いますが、私のような何も知らない者が興味本位で読むにはうってつけの良書でした。
世界の名画を身近なものに
★★★★★
その画家の代表作=画家の顔。
しかし絵だけみてもなかなか覚えられないものです。
それにテレビでちょくちょく紹介されていても
いっぺんに多岐にわたる画家のみなさんを
しることは難しいことです。
この本は広く浅くですが
画家の代表作や、画家同士の関係、人生などが
わかりやすく解説されており
同じ絵が解説(ウラ話?)があることで
へぇ〜こんな意味があったのか!おもしろい!
となって今までただのらくがきにしか見えなかった名画も
とたんに愛着がわいたりします。
私にとって敷居が高いんじゃないかと敬遠していた
芸術絵画の世界の扉を開くきっかけとなった本です。