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プラチナ・ビーズ

価格: ¥1,100
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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いらいらした。 ★★★☆☆
重厚でキャラ萌えもある小説を読みたくて、レビューにひかれて購入。
・・・裏切られはしなかったけど、期待しすぎたことを反省してます。

主人公の葉山のぐだぐだ感にいらいらして、最後の方はうんざりしながらページめくってました。
どこまで平和ボケしてるの・・・?
それでよく居場所がないとか祖国がないとかなんとか悩めるね。すごい神経してるわ。
そこまであの女性にこだわる必然性を全く感じられず。
葉山は何年この世界にいるんでしょうか。
国際社会の裏側で犠牲になる人間と接したの、本当に初めてなんでしょうか。
魚処刑のときの葛藤も、ちょっとどうかと思いましたよ。早く逃げろよ。いらいら。

そんなボケな葉山をフォローする坂上が2割増しでまともに見えたかも。
海軍仕込の卑猥語が気持ちいい。軍隊ってどんなものか、とてもよく伝わるし。
ガンマニアっぷりも素敵。人格破綻者呼ばわりは妥当だけど、葉山とはワレナベニトジブタでよいコンビ。

おとぼけ葉山が「情報」という魔物の本当の魅力に浸っちゃうシーンとか、ちょっとわくわくした。

エディはともかく、サーシャはそれなりに期待にこたえてくれるキャラでした。(次にいつあえるやら、ですが)

大好きなんですよ、こういうキャラ。
何不自由ない贅沢な生活をしながら、たまにボランティア、みたいな。
1000万の時計をはめて国境なき医師団に参加する、みたいな。
この二人は本当に、考え方が双子のようだ。

葉山は「ミスターオリエンタル」を継げるのか?先代の死の謎は解けるのか?楽しみなような、付き合いたくないような。
所詮分析官は分析するだけ、というのは筆者の経験からの諦観なのかな。
だとしたら、巻が進むうちに、タガが外れて現実離れした大活躍させちゃったりするのかな。
期待してます。
長かったけれど ★★★★☆
一気に読んでしまいました。
物事を色々な方面から語ってくれる登場人物が多く、
偏った見方を(できるだけ)せずにいられるところが良かったです。

最後は心が痛かった。
日本人であるということより、ひとりの人間として。
「私は葉山のように悔しくなかった」ということに気づき、
自分は随分おごった考えを持っていという事実を突きつけられました。
文章はうまいんだけどねぇ ★★★★☆
 デビュー作からいきなり文章の巧い作家さんなのです。この長い話をバランスをとってまとめた気力もすごいし、書いている内容も一般人が意外と知らない隣の国の話で、とてもわくわくして読みました。
 でも、どうしていつもオタクなミーハー精神を全開にして、ヤオイ方面のサービスショットを入れるのでしょうか? 登場人物に萌え萌えになってきゃあきゃあ言いたい読者ばかりではありませんのに。つか、その部分がうざいので、☆一つ減点。

フィクションだけど、ノンフィクション的 ★★★★★
作家自身が防衛庁ご出身ということもあり、フィクションとはいえ、ノンフィクションのような気がして夢中になった。これを読んでから、この作家が出している本は必ず読んでいるが、裏切られることはない。作品には作家のその時その時の思いが集約され、登場人物たちは常に憑かれたように情熱的で、悲哀に満ちている。プラチナビーズが何を示しているのかを知ったときには、やはりアジアの一員である日本人であることに対して、じっと考えてしまった。
最高のエンタテイメントの中にこそ、考えさせられるものがある。 ★★★★☆
ジャンル分けすると「スパイ小説」になるんでしょうか。
スパイ小説・・・国家間の複雑な政治的問題が軸となり、およそ人間味のないスーパーマンのような主人公が活躍し(007くらいになると爽快ですが)、最後は予想通りめでたしめでたしで終了する・・・私はあまり好きになれない分野です。

でも!!この小説はスパイ小説でありながら、その定石をまったく踏襲していません。

軸となる北朝鮮の背景は判りやすく簡明に描かれ、登場人物たちは個性的で人間味にあふれ(一人、敵方の謎の人物は眉目秀麗な少女漫画的キャラだけど、それもポジションに合ってて嫌味がない)、ストーリーもどこに向かいどう転がるのか、ページを繰る手を止められません。

特にこの手の国際事情を織り込んだ小説は、やたら日本人の意識改革を叫んでいたり、啓蒙しようとする文章が多くてうんざりするのですが、「北朝鮮の飢餓と日本の飽食」を描きながら、そういった押し付けがまさが全くありません。

するりと物語の中にそういったものを紛れ込ませ、読者に自ら考えさせる、「エンタテイメントの中にある訓え」となっていると思います。
読了後、「プラチナ・ビーズ」というタイトルの意味を、かみ締めずにはいられないはずです。
「あーおもしろかった!」と読み捨てるだけで終わらない物語です。小説として一級品ではないでしょうか。