がさがさ読める
★★★★☆
がっつく様に読ませていただきました。
五條瑛氏を何冊も読んでいると話のパターンが見えてきますが、
いつもとはちょっとテイストが変わっていたと思います。ライトな感じ。
これはいつものことですが謎なぞナゾ、で読み進むに連れてのめりこみます。
ただ今回は各章の謎が連続短編のようになっています。初出誌の関係でしょうか。
本筋はちゃんと一本通っています。
ただ、終わりに好き嫌いが出る作品が多い気がします。
今回は気に入らないという事はないのですが少し物足りない…
続きはないんでしょうか?もっと読みたい。
亞宮が年齢と出生のわりに聞き分けの良い印象でした。
パターンが見えてくるにしても、五條瑛氏はやっぱりおもしろい。
それでいいじゃない。
ストリートギャングにとっての”エデン”はどこに?
★★★★☆
思想犯が収容される刑務所「K7号」は、囚人たちの自治が認められ、
所内を自由に動くこともできる刑務所らしくない刑務所だ。
重犯罪の思想犯として一生、シャバには出られない者も多い。
そんな所に何故か、わずか刑期2年のストリートギャングのリーダー・亞宮が、
対立するグループのリーダー・蔡とともに放り込まれた。
インテリ揃いの思想犯に混じって、場違いな男たちのムショ暮らしが始まった‥。
著者の初期の「プラチナビーズ」などの作品とは一味違う面を見せてくれているが、
変わらないのは、主人公の性格の特徴となっている“こだわり”。
本書では、所長の北、カウンセラーの宇津木ほか、亞宮と囚人仲間たちの
それぞれのこだわりが、思想犯らしくていい味を出しているのだが、全員をつなぐ
役目をはたしている亞宮の、いちばんアクが強いはずの“こだわり”が微妙に弱い。
その役どころの故に、年齢不相応の物分りの良さを示す結果となったか?
ちょっと厳しく
★★★☆☆
21年前の日比谷大暴動事件を軸に、政治犯(思想犯)収容所になぜか投獄されたストリートギャングの話である。プロローグを読んだ時は、相当面白いかな、と思ったのだがその後の展開はちょっと単調だった気がする。話の流れも何となく分かってしまう部分もあった。しかし、五條氏の他の小説とは若干テイストが異なる本で、その点では楽しめた。