大人たちの職業に懸けている姿勢
★★★★★
ベイエリア分署シリーズは何冊が読んでますが、この作品は好きな作品の一つです。
今回は交通機動隊の速水が大活躍してます。
そして彼の魅力も全開です。
暴走族や走り屋とも「フェア」にやって彼らに負けを認めさせる、そんな速水が
若者達の伝説にまでなっている走り屋の風見とのカーチェイスシーン。
正に命を懸けた真剣勝負で、私はスープラの助手席に乗っている安積の気持ちで
ドキドキしながら読んでいました。
でも何と言っても、安積や速水達の「職業に命を懸ける姿勢」に感動しました。
「大人は、手取り足取り教える必要は無い。何かを子供に示せばいいのだ。生き
る姿勢を見せてやるだけでいい」
なんと素敵な言葉でしょう。
私もそういう大人になりたいです。
”ベイエリア分署シリーズ”速見編
★★★★★
いわゆる警察ミステリを得意とする著者の、安積係長率いる“ベイエリア分署シリーズ”の1冊です。普段は準レギュラー的扱いの、交通機動隊の速水氏が主役を張っており、シリーズの中でもやや趣を異にする物語です。
速水氏が主役なだけに、どちらかというと事件の捜査よりもカーチェイス等の要素が強いです。
著者のキャラ造形はいつも独特ですが、今回、何といっても、物語の鍵を握る一匹狼の少年「風間智也」が凛としてかっこいいです。
残照とは、日が沈んでからも雲などに照り映えて残っている光、夕日の光をいうそうです。安積係長は、大人たちは少年少女に責任がある、という。言葉で示す必要はないが、生きていく姿勢を示し、闇を光で照らすように導く責任があると。それが例え、残照のような淡い光であっても…。
常に自分を律し、自分の行動の是非を問い、相手の年齢に惑わされず少年であっても認めるべきところは認め、偏見をもっていたら謝罪する…。本人が“大人になりきれない”と言い切るその生き方は、不器用で誠実な、誇り高い大人の生き様――そんな風に思いました。
警察ミステリといっても、人間ドラマの要素の強いこのシリーズ。今回も魅せてくれます。
速水ファンにはオススメ
★★★★☆
安積警部補シリーズの長編。
再建された東京湾臨海署の管内で起きたカラーギャングの抗争事件。グループのリーダーが刺殺体で発見され、現場から走り去る一匹狼の走り屋の車が目撃される。
捜査本部はこの走り屋が犯人である可能性が濃厚とみて捜査を進めるが、交通機動隊の速水がそれに異を唱える。
はじめは速水の話を信じなかった安積だが、速水とともに走り屋を追ううちに、真相に近づいていく。
地味な刑事ドラマとしての雰囲気が大きかったこのシリーズですが、これは峠での派手なカーチェイスなどエンタテインメント性を重視した作風に。
いつもにもまして速水が活躍するので、彼のファンにはお勧めです。
また、いつも一歩引いてることが多い安積も、速水に引きずられるように活躍します。
逆に、須田、村雨、黒木、桜井という安積班員は、今回は脇役に徹しています。
この作品だけでしっかり完結していますが、シリーズ未読の方は、「陽炎」など短編集で一人一人のキャラの特徴をつかんでから読んだ方が、数倍楽しめると思います。
大人に読んでほしい
★★★★★
子供にどう対応したらいいかわからない大人達に。。。 ここにひとつの回答がある。 大人になれない子供達に。。。 こんな大人にぶつかってみたら大人になれると思わないか? スピード感に圧倒されているうちに、君は大人になる 方法にきづいているだろう。
#いや、とにかく面白いって(^^)