丁寧な本です
★★★★☆
システム思考について,丁寧な解説でとてもよく分かる本でした。
ただ,やってみようと思うと,実践で使うには書籍だけでは限界があり,もっともっと使いこなさないといけないかなぁとも思います。セミナーに参加するか,フォローしてくれるようなサービスがあればとずうずうしいことも考えてしまいますが,入門本としてはとてもよく分かる本だと思います。
「着眼大局、着手小局」のためのシステム思考の入門書としてオススメ
★★★★★
物事(システム)の全体構造を理解するためには、全体を構成する各要素を理解するだけでなく、個々の要素間の関係性および時間経過の影響に注目する必要があります。こうした「要素の関係性」や「時間経過」を考慮する思考法が「システム思考」です。(一言で要約するとすれば「連立微分方程式を図解したようなモノ」です) 本書では、物事(システム)の問題が「要素の関係性」から生じる主な場合(パターン)について紹介し、その解決例(e.g. "レバレッジ")について平易に説明しています。この"レバレッジ"は、まさに「着眼大局、着手小局」の好例となっています。
各要素間を繋ぐ"因果ループ"の描き方の説明は分かり易いですね。(補足:矢印(→)の種類(正・逆)の説明では、正を+、逆を−と読み替えましょう。そうすれば、因果ループに沿って+/−の掛け算した結果、全体の符号が+なら"自己強化型"/−なら"バランス型"と容易に判別できます)
本書のようなシステム思考が身につくと「風が吹けば桶屋が儲かる」ような話を因果ループで説明したくなります。(^-^) 本評者は「極端な食餌制限ダイエットは初期には効果を現すが、(油断すると)リバウンドしてしまう」という例を因果ループで描いてみました。(ヒント:食事量、基礎代謝量、脂肪量...) こういう考え方に慣れれば、単なる相関関係が因果関係ではないことが良く理解できるようになれます。そして「ナゼを5回繰り返せ」「"原因"の向こう側に"真因"が隠れている」という大野耐一氏(トヨタ)の教えは 実はシステム思考との相性が良いんだなぁと納得した次第です。(ここでネットワーク科学の"Small world"を想起するのも一興です)
分かりやすくて、楽しめる☆
★★★★★
「システム思考」について、とても分かりやすく書かれていて、
とても読みやすいです。
システム思考の本は、文字が多くて分かりづらいなぁ〜と思っていたのですが、
この本と出会ったことで、「システム思考」の魅力にはまりました。
問題解決手法としても使えるこの思考法は、画期的でとても面白いと思います。
もっともっと日本でも広がったら、面白いことになると思います。
思考方法
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・ウイルス対策で抗生物質を開発したが、新たに抗生物質への耐性を持った強力なウイルスが出現した
・たばこの健康被害対策で低タール・低ニコチンのたばこを開発したら今まで以上の本数を吸うようになり、しかも深く長く肺に吸い込むようになったためかえって健康被害がひどくなった。
上記のように、ある解決策が別の副作用を及ぼし次の問題が起こってしまう…そういったことを防ぐことができる俯瞰的な思考方法であるシステム思考の解説本です。
ツールとしてループ図などが紹介されていますが1つ1つ丁寧に具体例を用いながら解説してくれているためわかりやすく納得して読み進めることができます。後半では社会事例を取り上げながら実際の応用例や考え方をしっかり理解することができます。
システム思考を知らないという方には目からウロコの内容だと思います。充実した解説で星5つの価値はあると思います。
新たな視点〜深く・広く・高く、そして時間軸とつながりで考える「システム思考」
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■コーチングで個人の目標達成や問題解決のサポートを、アクションラーニングでチーム・組織の課題解決の推進、そして成長を進めてきました。
その中で出会ったことば「システム思考」をこの本で非常によく理解できました。
◆「パターングラフ」や「ループ図」、「システム原型」「レバレッジポイント」などの使いでのある強力なツール群。読みながら現実の問題に当てはめて応用練習すると益々理解が深まります。
この変化の激しい時代の問題や社会構造や組織問題には、要素還元的な分析的ロジカル思考だけでは、そもそも問題の本質を見失うこともある。
「1.人や状況を責めない、自分を責めない」から始まる『システム思考七ヶ条』も現実問題を見る前提を見直し、視野を広げ、新しい視点へと導いてくれる。
●ビジネスリーダーに企業に限らず公共団体、学校、病院、NPO、組織の問題解決に直面しているリーダーに先ずはお薦めです。若き(頭の柔らかい)政治家にも読んでもらいたい。