英語は右脳を使うという誇大表現を信じるのは危険
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「英語は右脳を使っている」「2、3倍速を聴けば右脳回路が開ける」と謳う誇大表現には注意が必要です。
英語を聞き取るためにはナチュラルスピードの英語に触れ続ける必要がありますが、現在の多くの出版社の英語教材では一分間に150語〜160語が標準です。
けれども、実際のネイティブスピーカーの会話はそれ以上で、1分間に180語以上という通常のCDの録音スピードよりも速く話をしています。
つまり、日本で販売されている標準的な英語教材は、ネイティブの発話よりも遅い音で録音されています。
(1分間に150語というのはニュース英語を読むときの標準的速さです)
この打開策として2倍速、3倍速の英語を聴かなければいけないという錯覚に捉われがちですが、そうではありません。
確かに音の速さも問題の一つですが、日本人が英語が聞こえない他の理由は単に音だけの問題ではなく、
構文、リエゾン、イディオム、コロケーションなど、文の構成を理解できていないことも挙げられます。
つまり、音の速さ以外にも聞き取れない要素というのは多分にあるということです。
さらに英語学習でインプットを行う場合は、できるだけ自分の英語力よりも少しレベルの高いものを選ぶことが重要だと言われています。
(これは、クラッシェンの「I+1」という理論に基づいた考え方です)
本書では意味を理解せずに聞き続けると右脳の回路が開けると説いていますが、この理論には根拠がありません。
応用言語学を研究されている村野井仁氏の著書『第二言語習得研究から見た効果的な英語学習法・指導法』の中にも理解可能なインプットが大事だと述べられています。
このように「英語は右脳」という考え方も少なからず、注意が必要です。
私たちが言葉を生み出すときには頭全体(主に左脳)を使っていることが研究により分かっています。
とりわけ、音声面に関しては左脳が重要な働きをしていることが明らかになっています(英語の子音は右脳が処理するという考え方もありますが)。
例えば、川島隆太氏の『「音読」すれば頭がよくなる』を読めば、脳科学からの実証を知ることができます。
この他にも白畑知彦氏らの『英語習得の「常識」「非常識」―第二言語習得研究からの検証』では英語は右脳という考え方を否定しています。
門田修平氏らの『英語語彙指導ハンドブック』も左脳と右脳のメンタルレキシコンについて述べられています。
これらのことを考慮すると、「倍速の英語を聞き流せば右脳の回路が開く」と謳う書籍の信憑性は低くなります。
英語に関する書籍が氾濫する日本において、誇大表現で購買意欲を誘うものには十分注意することが必要だと思います。
買いでっせ!!
★★★★★
前回は”つぶやき”だけだったが、今回は”会話”もあるのでバランスも良い。倍速CDもキチンとついているし、超右脳シリーズでは、この留学編が一番使える。買いでっせ!!
今回は親切
★★★★☆
前回のつぶやき英語トレーニングを買いましたが、初めの3つしか2倍速がついていませんでした。
ちょっと不親切と思いましたが、今回はちゃんとすべてについています。今までの英語の教材とはまったく違う勉強方法なので、ぜひ、他の人も一度は聞いてみることをお勧めします。
これなら大丈夫ですよ
★★★★★
前作の「超右脳つぶやき英語トレーニング」も使いましたが、今回の「留学編」もすばらしい出来です。今回は全てのつぶやきに2倍速、3倍速の録音がされています。
仕事上即使える表現を短期間で覚えたい人向けではありませんが、難しい内容に取り組む前にまずは身のまわりの普通の英語表現を自分のものにしようと考えている方なら、この本で間違いありません。日常会話表現がちりばめられている50ものつぶやきが自分のものにできたら英語を使うのが楽しくて仕方ないって感じるでしょう。TOEICで高得点をとりたいという気持ちもわかりますが、まずは会話が基本ですよね。このつぶやきをマスターした後なら、安心して専門的な分野の英語に飛び込むことができそうです。
これを使ってうまくいかないなら、原因はやる気不足としか考えられません。どれにしようか迷っている時間があれば今からこの本で練習を始めませんか?使ってみたい表現がたくさんたくさんありますよ。