主な役者が出揃い、力関係(?)も定まるシリーズ2作目。
江戸に生きる物乞いたちの、活き活きとした会話が冴えます。
読めば読むほど、その自然な語り口には感動すら覚えるほど。
当時の文化やちょっとした言い回し、古い言葉などが
随所に登場して、物語とはまた別に、楽しめること間違いなし。
『さすがは猿若町だ。犬まで見栄を切ってから、片足を上げやがる』
野良犬がマーキングしている姿でさえ粋な会話になってしまうのは、
都筑センセーのなめくじ長屋でしか読めません。
当時の江戸っ子たちの姿を思い描くだけで頬が緩んでしまいます。