自堕落な女は格好いい
★★★★★
久々の単行本なので、読み始めるまで忘れていましたが、
西村しのぶ先生の作品の中で、「RUSH」は最も「自堕落な女」度が高い作品でした(笑)。
「西村しのぶ=街の女を描く作家」と思っている人にはこの作品でしょう!
主人公の百合は、妊娠検査薬で妊娠してないかチェックしているし、
相棒のアキミツも、大学に入学するといってもらった金を持って南の島に行ったまま、なかなか帰ってこないし。
そういうバカ野郎共が主人公でも、品があるのが、西村作品のポイントです。
自堕落といいつつ、ちゃんと自分で守るべきラインを作って、その中で生きている登場人物ばかりだから、読んでいて不快な気持ちにはならないんですよね。
本当に自堕落な奴は、何にも考えていないけど、西村作品の主人公はきっちり考えて生きているんです。
そういうことをつくづく考えた久々のRUSH新刊でした!