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怒りについて 他二篇 (岩波文庫)

価格: ¥1,008
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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人はかわらないもの、、 ★★★★★
2000年前に書かれたエッセイ。
いかに前向きに生きるか、という事をテーマとしたもの。
人の言葉を悪くとらず、
苦難を苦難と思わず、、。

たとえは同時代の人たちだし、
なかなか残酷な感じだけど、
書かれている言葉、思想は、現代と何ら変わりはない。
前向き、前向き、に。
ひたすら前向きに。
言葉、事実は、受け止め方次第でいかようにでも。

まあ、2000年前から人間の考える事、悩む事、返答って同じなんですね。
人間ってかわらないもの。
進歩しないものですね。

とても平易な訳で読みやすいです。
一人では怒っちゃだめだけど、みんなで怒りましょう。(R指定) ★★★★☆
本書は、ローマ帝政期の哲人セネカの著作集です。イエスと同時代の人ですが、セネカは作家で政治家で、当時名の知れた人だったようで、政治的もつれにより一度は死刑まで宣告されましたが、その名声のおかげで流刑地からカムバックし、皇帝ネロに仕えたという経歴の持ち主です。

さて、本書の3つの著作は、どれも当時かなり教養の高い人が読むことを想定して書かれた内容だと思われます。

まず、『摂理について』では、「摂理(=神、理性)が存在するなら、善き人には災いが起きないはずだ」といった観点から、苦難をものともしない態度について、当然のごとく述べられています。

『賢者の恒心について』では、賢者の心のもちようや、孤高の精神がどうあるべきかについてです。

『怒りについて』では、とにかく、他人からの不正に対して、怒っちゃだめだという戒めが解説されていきます。

こういった書物は、ただ処世訓を述べただけかと思っていましたが、さまざまな人物、とりわけハンニバルやカエサルなどの歴史上の人物の残虐な振る舞いがところどころ散りばめられており、先を読むのが苦にならない歴史小説みたいな倫理書でした。

これらは、市民にとっては高級な倫理書であり、国を治める王にとっては、善き統治者としての啓蒙書として読み継がれたのでしょうか。

中でも『怒りについて』が一番読み応えがありました。

息子を殺されても怒らないのだ、と言われても理解できないと思いますが、情念の一種である怒りは、理性により抑制することも出来るし、不正に対しては、復讐したい欲求である自分の怒りを、怒りと思わずに、ただ相手から自分の権利を取り戻せば済むことだ、という考えなどもあって、背筋が伸びた読後感です。

ただし、残酷な挿話が多すぎてR指定モノなのと、理想的な状態というのは、やっぱり実践するのは難しいなと感じる書です。訳文は読みやすかったと思います。
名言の宝庫 ★★★★★
「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。」(マタイ福音書第五章)
 これは、セネカと同時代を生きたイエスのことばである。本書は、この教えについての詳しい解説だと言えよう。怒ることがどれだけ醜い、自分を傷つけることであるか、その理由が書かれている。徳のある者ならば、たとえ侮辱されても殴られても怒ることはないということが、多くの例によって示されている。
 もう一篇の『神慮について』もすばらしい内容で、ぜひみんなに読んでもらいたい作品である。セネカの著作は岩波文庫で二冊出ているが、この二冊の価値だけでも、世界の偉大な作家十人のうちに数えられるだろう。とにかく、生き方についての名言が多いのである。

《君は言う。「しかし、神はなぜ善き人々に何かの災難が起こることを許すのであろうか。」しかし実は、神はそれを許さないのだ。神はあらゆる災難を善き人々から遠ざける。罰も恥も、非道な企みも、強欲な計略も、陰険な欲望も、人を困らす貪欲も。だが、神が護り、また救うのは善き人々自身なのである。善き人々の荷物までも監視するように神に要求するものがあろうか。むしろ、善き人々自身が、この心配を神から解放するのである。彼らは外的なものを軽蔑するのだ。》(『神慮について』より)
 
最高の実用書 ★★★★★
ざっと2000年前に書かれた本である。しかしおもしろい。おもしろいだけでなく役に立つ。どう役に立つかというと、健康を保ち、人間関係を改善するためにとても参考になる。
現代の日常生活で「ストレス」という言葉が聞かれない日はめずらしい。しかしよく考えてみると、「ストレス」とは非常に多くの場合、
「怒りを発散できずに飲み込んでしまっている」状況を指す。
これ以上ないほどもつれた心の状態も、その本当の発端は「些細な怒り」であることが、後になればわかる。
怒りに対するセネカの処方箋は「怒るな」ということに尽きる。
なんだそんなことかと、がっかりしないでほしい。信じられないほどの
暴君や、一方で深い寛大さを持った王たちを間近で見たセネカの言葉には、平凡な常識を語って有無を言わせぬ底知れぬ迫力がある。
怒り・・・ ★★★★★
この書籍はセネカの兄であるノバトゥス宛に書かれています。
怒りは感情の一表現だが、他のどの感情とも異なる部分から現れ我々をも周囲をも変えてしまう感情です。(本文より「他の感情は "表現" するのに対し怒りは "噴出" する」)
日常小さなことにでも腹を立ててしまうこともあります。
文中、セネカはこう言っています。「怒りに己を失うことは弱きことであり、怒りに支配されない平静さを持つ人こそ強き人であると述べ、更に、我々は常に死へ向かい進み続ける中、なぜ怒りという感情に任せて時間を浪費するのか・・・して良いはずはない」と。
歴史上の人物を揚げ「怒り」に支配された人々・支配した人々、本来の人間の姿とは各あるべきかについて記述されており、全編読みやすい文体で書かれた読みやすいが考えさせられた一冊です。