小田空の思う壺
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中国。アジアの中でも社会主義制度が貫かれているこの国は、その悠久たる歴史と雄大な自然故に我々を魅了するが、その広大さと、外国人旅行者への制限等々のために我々を尻込みさせる部分もある。本書では一人のバックパッカーとして中国を訪れ、見事惨敗を喫した小田氏が、再び中国に挑戦し、はまり、留学から日本語教師生活を送ってしまうほどに入れ込んでしまった経緯を記したエッセイである。
生牛乳が貴重品だったり、真冬(大陸の冬は当然寒い)でも教室に暖房が入らない学校、水が1日4回しか出ないという生活は、利便性に溺れかけている日本人が聞くとため息ものの生活状況のように聞こえるだろう。しかし、小田氏のこのエッセイを読むと、あ~ら不思議「不便な生活って結構いいかも」って気分にさせられるのだ。つらい状況下にあっても前向きで、後から振り返ったときに笑い飛ばせる彼女の生命力と楽観主義、私好みの対比比喩に満ちたはじける文体で、中国の田舎がとてつもなく魅力的に見えてしまった一冊です。
中国との戦い(?)の記録です
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世界中を旅し、どこへ行っても温かく迎えられた筆者を、中国は唯一冷たく裏切ったようです。筆者は中国への執念を燃やし、復讐の旅へと旅立ちます。
上巻だけで10年に渡り3回も訪中した体験談であり、内容は濃いです。漫画を交えながら、ユーモアたっぷりの口調で聞かせてくれます。
そこには想像を超えた生活が待っていた
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ポーランドで闇両替屋のオヤジに気に入られたほど旅慣れし、魅力溢れる作者でも中国には歯が立たなかった。リベンジを誓い南昌の大学に留学することになったが、そこには想像を超えた生活が待っていた。
作者は漫画家でもあるので全編にイラストも挿入されており、軽妙な語り口と相まって素晴らしいハーモニーを醸し出している。
これを読めばあなたも中国病にかかるだろう。
漫画家、小田さんと中国
★★★★☆
小田さんが体験する中国という国について描かれた マンガエッセイ。まず生活を始める・・というところから 日本では考えられないことばかり。トイレや美容院や自転車まで笑えるなかで、小田さんは人としてのあたたかさや 懐の深さで乗り越えていきます。中国に興味がなくても 楽しく読める1冊です。