身近な恋物語が、読む人を幸せにしてくれる短編集。
★★★★★
恋愛の現場を切り取ってきたような短編6作。
この短編集で描かれる恋愛の現場は、友人の身に起りそうな物語ばかり。けれど、その身近な感じが物語との距離感を作らず、入り込みやすいのかも知れない。
もうひとつ、登場人物たちは皆、恋愛しているのだから感情の起伏は激しいのだけれど、それを藤田さんが淡々と描き切っているのがまたいいな、と思った。お陰で自然と登場人物に乗って行ける気がする。
どの作品も、読後に幸せになれるものばかり。
幸せな恋愛の物語を寝る前に、ひとつずつ読んでから寝る。
なんて贅沢かも。
女性に向けて書かれたものだと思うけれど、男性の私も楽しめた。
仕事や家事や育児など、日常に追われて恋愛する暇のないような人には特におすすめ。