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ぬくもり (文春文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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「天からの贈り物」がよかった ★★★★☆
ぬくもり 藤田宜永 文春文庫 2002

単行本 1998
風鈴の女、二十歳のコンドーム、ぬくもり、命日の恋、天からの贈り物、5編からなる。

個人的には天からの贈り物が良い。昔振られた女性の娘との出会い、そこから展開する青春の想い出。結末は書かないでおこう。
他の4編も面白いが少し翳を感じてしまう。もちろん藤田氏の描く男と女の人生模様は絶妙だけれども。
いくつになっても恋をしたい ★★★★☆
藤田氏が奥様の小池真理子氏が直木賞を取ったあと、無心に書き綴った短編です。
ガラス工芸師、野球選手、ドールハウス製作など、藤田氏らしく、職人気質の中年男女が登場します。独特の世界に生きる人間ならではの、価値観、喪失感、切れ味の良い決断が小気味良く伝わってきます。

「風鈴の女」は特に心に染みる作品でした。妻に先立たれた親友辰吉のために、自分の妻に身の回りの世話をさせた松倉。やがて辰吉が年の離れた後妻を迎えたとき、降りかかる家族のゆがみ。松倉の妻、辰吉が亡くなったあと明らかになる真実に、読み手は予想していたことがやはり事実だったのかと納得しつつ、なにか、中年男女の弱さ、寂しさを知ります。40代以降の年代の方なら琴線に触れるものがあるに違いないです。

男性が主人公になっているものばかりなので、女性には少しかけ離れた思考もありますが、人間、生きている限り異性を求めているんだなぁと思わせる作品集です。