いまどきこんなクラシックなヘヴィメタルをやるバンドも少ないんじゃないか、というぐらいヘヴィメタルらしいアルバムである。
ガッツリと心を掴むような名曲はないものの、全体のクオリティが高いので飽きずに通しで聞けてしまうあたりは流石。
今や海外でも少ないであろう、正統派メタル直系のサウンドは聴いて損はないだろう。

購入前にチラッと聞いて
これは期待できるのでは、と購入!

結果は期待通りでした☆
迫力もあって、色々なことに挑戦しているのが感じられるアルバムだと思います。

タイトルの魑魅魍魎をテーマにしているのか、内容がわかりやすい。

個人的に瞬火さんの声がとても好きで、リードボーカル曲が多いのも魅力のひとつ。
ただ、他のレビューにもありましたが、リズム隊がもっと全体的に出てきてもいいような気がします。

陰陽座らしい楽曲の数々だと感じます。

ヘヴィメタルが好きで、中でもとりわけ人間椅子の熱心な檀家だったのですが、メンバーの方々と同郷にも関わらずビジュアル系の人達なのかな?と陰陽座は不覚にも今まで聴いたことがありませんでした。
今回、大好きな鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に関連する曲がたくさんあるのがたまたま目について、たまらなく聴いてみたくなり初めて陰陽座を聴きました。
聴いてビックリ、演奏は上手いし、曲の完成度も高くて凄いバンドですね。
個人的に今までは、うねるような沈み込むようなヘヴィリフの曲が好きだったのですが、陰陽座の歌心と勢いのある、ちょっとアニソン風?な和製ヘヴィメタルの世界に見事にハマってしまいました。
今までひたすら重く、激しくと言う事だけ考えてヘヴィメタルを聴いていたんですが、こういうヘヴィメタルもアリなんだなぁ〜と今回新発見です。
今までの作品も集めて行こうと思います m(__)m

前作の魔王載天は、とても聴きやすいアルバムだったと思う。良質なハードロックだと感じた。良くも悪くも、だけど。

個人的に、鳳翼天翔あたりから、それまでの不気味さ、重たさが少しずつ薄れていって、前作はそれが一層顕著だった様に思う。
誤解を恐れず言うならば、この路線なら陰陽座がやる必要はないだろうとまで感じた。

でも、今回の魑魅魍魎、久しぶりにおどろおどろしい陰陽座が聴けたような気がして、とても嬉しかった。

陰陽座がテーマとしているのは「妖怪」で、僕が陰陽座に求めているのも「妖怪」である。
そんな事を再確認したアルバムだった。

次回作も期待してます。

日本人による日本人のための日本語のＨＭという点で期待して何作か聴きましたが、
どうしても先輩格の人間椅子と比べてしまう。

両者はＨＭとしては似ているが実際には全く違う。
ビジュアル系の流れをくみ、ハイトーンボーカルを全面に押し出した近代的なハードロックの陰陽座　
対して人間椅子は７０年代ブリティッシュハードロックをベースにしたうねりのある技巧的サウンド。
卓越した演奏の人間椅子のあとに聴くと少々退屈ですが、ＨＲファンの私としては十分に楽しめる
内容だと思いました。