魯迅入門として最適。
魯迅の小説はその書かれた背景を知らないと理解が困難なものが多いので、
これを呼んでから実際の魯迅の作品に当たるのも良いかも知れません。

魯迅が生活した都市別に章建てされており、時代ごとの魯迅の生きざまを簡潔に教えてくれる。巻末の年譜も親切な作り方であり、近代中国文学を学ぶ者なら必ず役に立つ。

中国人民にはびこる「馬馬虎虎（マーマーフーフー）」＝「人間的ないい加減さ」を憎み、戦い続けた魯迅の生涯を纏めた書である。彼の思想がどう形成されたかが解りやすく書かれている。中国共産党の愛国教育では重要人物として扱われている魯迅であるが彼の精神は正しく伝えられているのか？と、反日デモを行いながら部屋中が日本製品で溢れかえっている「馬馬虎虎」な中国人青年の映像を見て思った。彼の思想は中国人だけではなく我々現代日本人にとっても学ぶべきことが多い。ぜひ多くの人に読んでもらいたい本である。