近未来のお話でしょうか
★★★☆☆
人間の寿命が延びて子供がいなくなった世界のお話。
お金を出して子供を一時借り受ける世界・その子は親の顔も知らない。
近未来のクローンへの警鐘か。
警鐘。
★★★★☆
シアラーには欠点がひとつある。
読者が「こうなったらいいな」と思っている通りの展開にしてしまうことだ。
わたしたちは安心して読めるのだが、そこに少しの物足りなさと練り込み不足を感じてしまう。
それでも、彼の描く世界はわたしたちが抱えている厄介な問題をはっきりと突きつけて来る。
読み進めていくと、家族の揺るぎない愛情により主人公タリンばかりか読者も心地よい幸福感に満たされるが、
エピローグでは再びわたしたちがおかれた社会の問題を喚起させている。
自分たちはいつまでも若く美しくありたいと願い、金持ちになって贅沢三昧をしたいと望む。
次世代のことなど考えずに、自分だけの快楽を求めて生きている現代人への風刺であり、警鐘とも受け取れる物語だ。
どんどん子どもは生まれなくなっている。
どんどん普通に(この本では昔のままに)男女が出会うことは少なくなっていく。
誰とも出会えなくなったとき、世界はどうなっているのだろう。
意志の強さ
★★★★☆
主人公の少年はとても意志の強い子です。
医療が発展し、今よりたくさん生きられるようになったらたぶんほとんどの人が老化防止薬を飲むでしょう。最初はみんな怪しむかもしれない。社会問題にもなっていって・・・でもだんだん、次の世代へと移っていくにつれてどうでも良くなっていく。この本の中の世界はそういう世の中になってしまった後の話なんでしょう。
少子高齢化の社会、ただの想像だけの世界としてこの話を受け止めるわけにはいかないなと思いました。
前作の「訳者あとがき」で金原瑞人さんが書いてらっしゃいましたが、アレックスシアラーさんの物語は、「絶望」で終わることはありません。ただ、今回の作品ではまた違った印象を受けました。
タリンは幸せだったけど、世の中はどうなんでしょう。それを言ったら限がないかもしれませんが。
問題提起
★★★☆☆
人々は長寿を願うものです。
しかし、今の倍以上もの寿命を得てしまい出生率が下がってしまったというお話です。
今の日本でも、欲しくてもできない人が少なからずいるということは
将来話に出てくるような世界になってしまうのかもしれません。
話は「貴重」となった男の子の話です。
レンタルしたい人の家に行き数時間男の子らしく振舞う。
一緒にいる男はずっと金儲けをしたいためにPPという成長が止まる
手術を執拗に勧めます。
本当の両親の記憶がわずかにあり、どこか遠くへ行きたいといつも思っていますが・・・。
まあ、予測の範囲内ということで星は3つです