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国境を越える歴史認識―日中対話の試み

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
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こういうバランス感覚を待ってました! ★★★★☆
歴史認識はなぜ、いつの時代も双方(加害者・被害者)で食い違うのか。
事実はひとつのはずなのに、、、、
この問いに対する答えを求めて、この本を手に取りました。
残念ながら、その答えは思った以上に難しいものでしたが、、、、、

本書は、若手の研究者が主体となって、しばしば日中間で論争になる靖国神社や南京大虐殺
などの歴史問題について、一次資料を丁寧に調査してできた歴史解説書です。

読者によって本書の評価は様々でしょうが、
本書の執筆陣に中国人の歴史学者が数名名前を連ねているのも興味深い。
中国共産党的歴史認識から離れた、自由な見方も少しずつ芽生え始めているようです。

その道のりは平坦ではないでしょうが、
日中双方が共有できる、「事実」にもとづいた歴史認識のあり方について、
本書がひとつの大きなステップになっていくこと気がします。
決して偏っていない本 ★★★★★
この本の長所
表題から、中華人民共和国(以下、中国と表記する)の歴史認識が一方的に書いてある本だと思ったが、決してそんな本ではなく、日本と中国(や台湾)が持っている歴史認識の違いや、現代的な課題(教科書、靖国、戦後補償)がよくまとまっている本である。
この本の短所
あえて言えば、朝鮮半島や他のアジア諸国のことが載っていないところ。
結論
長所星5つ。短所は星を減らすほどのものではないので、星5つ。歴史認識における冷静な議論のために、ぜひ読んでおきたいところだ。
格好の入門書 ★★★★☆
本書は,いわゆる日中の歴史認識問題といわれるものにつき,主要な争点をとりあげ,
それについての日中双方の視点・主張から整理・概説したものである。

本書は,11人の日中の歴史研究者が執筆を担当しており,「日中対話の試み」という
サブタイトルを掲げている。しかし,中国側の研究者といえるのは3名のみであり,その
うち2名は,日本で研究生活を送っている者であるから(残りの1名はアメリカで研究生活
を送っている者である),上記のようなサブタイトルをつけることが果たして適切か,
疑問が残らないわけではなかった。ただ,中国の学説がよく紹介されているのは確か
である。

本書の記述について述べると,日中双方の視点から整理するという本書の性質からか,
各研究者の私見は抑制され,客観的な記述となるよう相当の心配りがされていると感じた。
また,本書は「歴史研究者に限らず,両国で歴史を学んでいる人々や,両国関係ないし
東アジアの未来に関心のある読者」を対象としているとされるため(本書は中国において
も出版されるそうである),その記述は平易・簡潔であって極めて読みやすい。これらは
本書の長所といえるだろう。

本書の短所としては,前述の本書の性質からくる限界として,各争点について深く立ち
入るわけにはいかず,いわば問題提起レベルの記述にとどまらざるをえなかったところか。
各争点について,深く考えたい読者においては,各章の末に記載された参考文献/引用文献
のリストが役に立つだろう。

以上を総合すると,本書は,いわゆる日中の歴史認識問題についての格好の入門書と
いえる。すなわち,読者が,この問題について,冷静で理性的な思考を巡らす上で不可欠
の基礎的知識を提供してくれるものである。

個人的には,台湾の歴史認識を扱った第10章がもっとも興味深かった。日本の民族保守派
=自慰史観者と台湾独立派の奇妙な連帯関係は,まさに「歴史」と「政治」ないし「国家」
の間の深い関係を示したように思う。
逆説的に ★★★★★
帯には「和解の未来へ」とか「困難だからこそ、いま、対話を」とか書かれているが、本書を読めば読むほど、日中両国の、とくに歴史認識方面での和解は困難を極める、と認識させられる。

もちろん、これが実は誠実な見方である。「対話・謝罪をすれば仲良くなれる」とか、「歴史認識の一致は可能である」とか、無根拠に言い立てる「日中友好本」のいかに多いことか(むろん、その逆の、中国の脅威を言い立てるだけのものも、根拠レスでは五十歩百歩である)。「困難だけども、それでもやらなくてはならない」という使命に燃える歴史学者たちの姿は、なんだかとってもカッコイイ。本書中では、川島真氏の2本の論考が秀逸。