銀の龍とは?
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例によって休日の朝は早く目覚めるので、家族が起きてくる前に、年末に録画しておいたBS熱中夜話の中島みゆき特集を見た。
その中で、ファンの一人がDr.コトーの主題歌だった『銀の龍の背に乗って』の歌詞で、銀の龍は戦闘機、砂漠はイラク、雨雲の渦は反戦の運動と解釈しているというような発言をされていた。こんな歌詞である。
あの青ざめた海のかなたで 今まさに誰かが痛んでいる
まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている
急げ悲しみ 翼に変われ 急げ傷跡 羅針盤になれ
まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている
夢が迎えに来てくれるまで 震えて待っているだけだった昨日
明日僕は龍の足元へ 崖を登り 呼ぶよ「さあ、ゆこうぜ」
銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ
銀の龍の背に乗って 運んでゆこう 雨雲の渦を
この曲はDr.コトーのために中島みゆきさんが書き下ろした曲で、リリースされたのは2003年7月である。この年の3月にイラク戦争が始まり、自衛隊を派遣するかどうか国内でさまざまな議論がされ、結局、7月にイラク特措法が成立している。
そうした時代背景を知った上でこの歌詞を見ると、銀の龍=戦闘機という理解は説得力が出てくる。この時期に「砂漠」という比喩がイラク以外を指していると考えること事体、不自然とさえ思える。しかし敢えてMephistoWalkerの理解を言えば、銀の龍=自衛隊の輸送機なのだろうと思う。「非力」は戦争を止められなかった自分の力のなさではなく、イラクで戦争が始まっているのに、何もできない日本の状況を嘆いたものであると解釈する。
MephistoWalkerはこの曲を、非難を浴びながらもイラクに派遣される自衛官に対する「さあ、ゆこうぜ」という応援歌と解釈します。最初にイラクに派遣されたのは北海道の「北部方面隊」でした。中島みゆきさんはもちろん北海道の出身です。2003年7月の時点で北部方面隊の派遣が決まっていたかどうかは不案内ですが、ペルー大使館占拠事件から『4.2.3』という曲(1998年発表のアルバム『わたしの子供になりなさい』に収録)を書いたみゆきさんのメッセージはこの曲にもこめられていると思います。
この国は危ない
何度でも同じあやまちを繰り返すだろう 平和を望むと言いながらも
日本と名の付いていないものには いくらだって冷たくなれるのだろう
熱中夜話で発言されたみゆきファンの方の洞察力に敬意を表します。その発言からヒントをもらったMephistoWalkerの勝手な解釈は、結論の部分が少し異なりますが、このような想像をかき立てる点にみゆきさんの歌詞の深さがあるのだと思います。
存在感
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ドラマの主題歌で有名になったが、この曲は歌詞にせよ曲調にせよほぼ完璧としか言いようがない。盛り上がりとなるサビに説得力を持たせるべく多重構造に仕立て上げられた楽曲は鳥肌物。自分の中に弱さや脆さを認めながらも、勇気を奮い立たせんとする本当の意味での強さがある。
この歌は是非ドラマを見た後で。
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『救命病棟24時』のドリカムが抜擢されていた様に『Dr.コトー診療所2006』の主題歌が中島みゆきさんであることは大体、見当はついていました。曲を変えてくるのかと思いきやまさか同じこの曲だったとは嬉しい限りです。こんなにまでドラマと歌、歌詞などもぴったり合うのはありません。ドラマでこの曲のイントロから始まる所はいつもじ〜んとさせられます。サントラもすごくいいのですがこの曲は入っていないのでこれ一枚でもとても貴重な物で、ドラマが好きな方には絶対損しない一枚です。歌を聴くだけでサントラの様に映像がじわじわと浮かんで来ます。
アルバムだけでいいと思う方もいるでしょう。しかし私は満足はいきませんでした。これはシングルを持っている事に大変価値があり一層、ドラマの深みを味わうことができるはずでしょう。是非ともこの一枚で聴いてみてはいかがでしょうか‥‥。
『Dr.コトー診療所』に合う曲はこれ以外はない。
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中島みゆきさんがこの『Dr.コトー診療所』の為に書き下ろしたのが『銀の龍の背に乗って』です。最初のピアノイントロと中島さんのスケールのある歌声に弾かれました。
10月12日にスタートした『Dr.コトー診療所2006』でも中島さんが新しく書き下ろしの主題歌として使うのかなと思いきや、『銀の龍の背に乗って』が再び主題歌として使われてます。やっぱり『Dr.コトー診療所』シリーズに似合う曲はこれ以外はないでしょうね。
Amazing!!
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2003年夏に発売されたシングル。TVで1回聴いて大好きになってすぐにCDを買ったのを思い出します。
今回、ドラマ「Dr.コトー診療所」の主題歌として再On Airされるので、ランキング再登場は間違いないでしょう。
曲の方は、人間の弱さや脆さを嫌でも考えさせられる歌詞と、瀬尾一三さんによる壮大なArrange、中島みゆきさんの説得力抜群の歌唱…と、小学生からお年寄りの方まで本当に幅広い層に支持されそうな楽曲(実際支持されている)に仕上がっています。中島みゆきさんの曲では特に「時代」「誕生」「Maybe」などが好きですが、この曲も1番好きと言っても過言でないくらいです。この曲を「ありがち」とか「薄っぺらい」と批判する人はいないでしょう。それにしても、この人は本当に才能の枯渇というものがありませんね…やっぱり天才です。