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海泡 (中公文庫)

価格: ¥940
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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海の泡のように ★★★★☆
 2001年に出た単行本の文庫化。
 小笠原を舞台とした青春ミステリである。登場人物、筋立て、雰囲気はいつもの樋口作品のとおり。
 それにしても、わずか一週間の滞在でこれだけ小笠原の生活を描けてしまうのは凄い。なかでも、その閉塞感はひしひしと伝わってくる。空港建設を巡る住民の対立と汚職の構図、島の名家の息苦しさ。島民と観光客のすれちがい。
 そして、そのなかで起こる殺人と、意外な犯人。
 タイトルの意味は途中で明かされるのだが、実に悲しい。読み応えのある一冊だった。
父島を舞台に見所たっぷりの青春ミステリー ★★★★☆
 大学生の木村洋介は、2年ぶりに小笠原諸島の父島へ帰省した。到着早々から地元に残る旧友達と再会するのだが、かつての恋人が謎の死を遂げたことから、事件の真相を洋介が探っていく。かつての旧友も、変わらぬ者とすっかり変わってしまった者。そして病からの旧友の死と、短い間に様々なことが洋介に降りかかってくる……

 物語では、軽薄さを感じる主人公の洋介ではあるが、再会する旧友達、画家である父親など登場人物それぞれに存在感があり、知られざる恋の歴史が意外な真相となっており、父島を舞台に見所たっぷりの青春ミステリーです。ミステリーというよりも、青春小説の延長がミステリーとなっていて、読後も余韻が残る作品でした。