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文禄・慶長の役 (戦争の日本史16)

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 吉川弘文館
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いろいろ想念が沸いて楽しい巻 ★★★★☆
昨年刊行された「戦争」に的を絞った歴史シリーズ。戦争は、いかなる意味でも否定的なイメージでしか語りようがないが、一方で、人間の最も差し迫ったのっぴきならない全てが現れるだけに、「歴史」を見るにおいて、時代の真相を知る最良の窓だと思う。本書は、史上悪名高い秀吉の朝鮮侵攻を扱ったものだが、90年代に流行った、今日の尺度を500年前に投影するという馬鹿馬鹿しさとは無縁であり、本書はとても健全だと思う。とはいえ、いくら500年前でも、秀吉軍は、めちゃくちゃで、その野蛮さ、獰猛さ、戦争狎れなどなど、明・朝鮮は、文字通りこの戦いに巻き込まれて滅んでしまったことがよく分かる。そこに現れる秀吉軍の著名な武士たちの相貌は、今日からは計り知れないほどで、「日本的伝統」なるものが、作り出されたのは、江戸期も好い加減経った頃だと思った。それぐらい違う。準備不足、無目的、無計画ながら、秀吉軍は、緒戦では圧倒的に強く、衆寡敵せずなどという言葉は無用なほどに獰猛だ。だが、土台無理は無理で終わるのだが、100年続いた狂気の戦国時代の末期に繰り広げられる、ただ、暴力の奔流だけがある文禄・慶長の役は、どう表現して良いか判らない、興味を促す。専門書と大衆向けとの中間ぐらいの構成の本書は、時に、非専門家には敷居が高く思える部分もあるが、ちょっと我慢して読むと、いろいろ想念が沸いて楽しい。