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用心棒日月抄 (新潮文庫)

価格: ¥788
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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青江又八郎の活躍、始まり始まり! ★★★☆☆
何巻も発行されている読み物を読むとき、我ながら不思議なクセがある。
それは、最新刊を読んでしまうことだ。

子どもの頃、巨人の星のコミックスも、ぼくが持っていたのは、ただ1冊、第16巻だった。
大リーグボールでオズマと戦うところだったと思う。
タイガーマスクのコミックスも第8巻だけ持っていた。こちらはザ・コンビクトとの対戦だった。

読み始めるなら第1巻から読むべきなのだろうが、なぜかいちばん新しいのがいいような気がするのだ。

この「用心棒日月抄」も青江又八郎が活躍する小説の第1巻に相当する。
そして、ぼくは、これ以外のシリーズ3冊を読み終えて、最後に最初のシリーズを読んでしまったのだった。

それはまるで謎解きを楽しむかのように。
大人になって知り合った親友の故郷を訪ねるときのように。

懐かしいような、ほっとするような。
青江、ここから物語が始まったんだ。苦労したんだね、と話しかけてやりたいような。
そんな温かい気持ちで、最後まで読み続けることができたのだった。
市井から見た赤穂浪士討ち入り ★★★★☆
東北の小藩の馬廻り役の青江又八郎は、藩内での陰謀に巻き込まれ、脱藩して江戸で浪人生活を始める。剣術の腕を活かして用心棒稼業で生計を立てるが、仕事をこなしていく中で、国元からの刺客と闘ったり、赤穂浪士や吉良家の策謀にそうとは知らずに関わったり、とスリリングな体験をすることに・・・・・・

藩内の権力闘争を縦糸に、そして赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件を横糸に、青江又八郎の用心棒としての日々を綴った連作短編。死と隣り合わせの危険な毎日が描かれているわけだが、同時に貧乏浪人としてのつましい暮らしぶりも浮き彫りにされており、権謀術数と庶民生活のギャップが面白い。きな臭い仕事を何食わぬ顔で紹介する口入屋の相模屋吉蔵や、浪人仲間で豪放磊落な細谷源太夫など脇役の人物設定も巧妙。
藤沢ワールドを存分に楽しめるシリーズ ★★★★★
時は元禄 忠臣蔵の事件の少し前、青江又八郎は藩内の政争に巻き込まれて脱藩し江戸で用心棒として生活していた。
藩からの刺客をかわし、用心棒としての役目をこなすうちに、大石内蔵助を中心として浅野内匠頭の復讐を誓った赤穂浪士の面々との危険な接触が増えていった・・・
忠臣蔵を伏線として、脱藩者の孤独と悲哀を江戸の市井から照らし出す藤沢ワールドの傑作。
主人公が負った深い業が江戸の暮らしの中で、自身の生きる意味を深く掘り下げていく重厚な流れは、読み手が物語に取り込まれていくような感覚に襲われます。
主人公と剣客が対峙した張りつめた空気と剣捌きの描写は息をのむものです。
どっしりとした時代小説を楽しみたい方にぜひ読んでほしい一冊です。
一点注意したい点としては、ぜひ忠臣蔵の概要を把握してから読まないと楽しみが減ってしまう点です。
赤穂浪士 ★★★★★
山形新幹線の座席前にいつもある、旅のFREE PAPERで紹介されていたので、気になっていました。でもなかなか出会えず、今になって読了。又八郎の用心棒稼業の短編集であるが、赤穂浪士討ち入りの臭いを振りまきながら、物語は進む。時代小説はちょっと、という人は騙されたと思って手に取ってみてください。一流のエンターテイメントの物語です。用心棒というくらいなので、剣を交えるところもあるし、ラブロマンスもあります。そうなのです、本書は女性の描き方が誠に素晴らしいのです。そんな中、武士の誇りを失わない青年、又八郎の用心棒稼業が描かれています。おもしろくないわけありません。まさしく、スリルとサスペンス盛りだくさんな書なのです。
軽く,そして深い時代小説。 ★★★★☆
時は元禄。藩主暗殺の陰謀を耳にしたことを発端に,その一味である許婚の父親を斬り脱藩。江戸に出てきた青江又八郎は,江戸で用心棒稼業で糊口をしのぐ。国許から放たれる刺客との闘いと,松の廊下刃傷事件から吉良邸討ち入りまでの浅野浪人の動きも交えながら,江戸の日常を描きます。

派遣先で漏れ聞く吉良邸討ち入り計画。内蔵助を始めとする浅野浪人たちと近づきながらも,肝心なところで彼らとの斬り合いを回避(笑)。忠臣蔵という歴史的事実を曲げないまま,見えない部分に想像を働かせて料理してます。

連作短編と言いながらも長編的要素があり,終盤の2,3章は読ませました。特に最後の「最後の用心棒」はジーンと来させます。ああ,作者の術中にはまったか,と。