コージーミステリー第二弾
★★★★☆
「ヴィラ・マグノリアの殺人」に続く、コージー・ミステリー第二弾。
ということで、てっきり続編だと思ったのですが。
古書店ってことは、「ヴィラ・マグノリア」の鬼頭典子の店が舞台なのかな、と思って。
ところが、古書店アゼリアの店主は前田紅子というおばあさん。舞台は同じ葉崎で、共通する登場人物は出てきますし、時期的にもマグノリアの直後っぽいですが、ストーリー自体はまったく関係ありません。
いろいろとついてないことの重なった女性が葉崎を訪れ、自分でもわけのわからないまま、古書店アゼリアの店番を任されてしまいます。
ところが泥棒が入ったり殺人事件が起こったり・・・「マグノリア」でときどき名前が出ていた、名家のお家騒動に巻き込まれてしまい、いったいどこまでついてないんだか。
でも、彼女のついてない過去のなかに、偶然にも、事件と多少の関わりがあったりもするのです。
伏線の回収が見事
★★★★★
Cozyってのを辞書でひくと<「心地よく、あたたかく、のんびりした」感じの>とあります。
となると、これは該当しません、ていうか若竹作品に該当するのはひとつでもあるのか?
もっとも、他の方が指摘されているようにこの作品の「毒」はだいぶ薄くて、結構よい読後感がすると思います。久しぶりに再読して感じましたが、推理小説的には、フェアな記述とレッドへリングがしっかりしていますし、伏線(みえみえですが)の回収がちゃんと行われているのが気分良く、こっちは本当にcozy。若竹さん、EQ相手に大論陣を張るだけのことはありますねえ(謎
キャラにほれました。
★★★★☆
キャラクターがいいですね。ネーミングも、場所設定もみんなよかったです。こういうキャラが周りいるといいなあとおもいながら、主人公みたいな、かっこよくって元気なおばちゃんになりたい!
やっぱり面白い!
★★★★★
面白いです。冒頭の怒涛の展開。すっかり引き込まれてしまいます。
ところで古書店の死体といいながら、古書店の死体がなかなか出てこない(笑)
文章は軽めで読みやすく、しかし読み応えのある内容がサスガと唸ってしまいました。
最後の最後まで「うっ、そうきたか」と。本当に上手いなぁ・・・
私はコレを読んで若竹七海の本を買いあさりました(^^;
「ヴィラ・マグノリアの殺人」の続編(?)的な話ですが、これから読んでも、
まったく問題がありません。
キャラクターがすてき
★★★★★
いつもながら、若竹さんの作品に出てくる人物はとっても魅力的。なんというか、きれいとかかっこいいだけのキャラクターじゃなくて、人間の弱さも垣間見せながら一所懸命生きてる人たち。かといって、あくせくしていない。
『古書店アゼリアの死体』といいながら、最初に見つかるのは海辺の溺死体。こんな浅瀬でなぜ死んだのか。自殺か他殺か事故なのか。事件の発端は、15年前の失踪事件なのか。
今回の主人公は死体を発見する相澤真琴なのか、物語のキーを握る前田紅子なのか。それとも葉崎FMのDJ渡辺千秋?いろんな人が入り乱れ、前田家の複雑な家族関係とも絡み合いながら話が進んでいきます。
紅子さんの粋なキャラクターがとてもかっこいい。真琴と五木原刑事のこれからも楽しみです。その他あくの強いキャラクターも、それぞれにいろんな事情を抱えているのだと思うと、共感できる部分もたくさんあったりして。
構成としては『ヴィラマグノリアの殺人』と感じが似ています。事件は解決したかのように見せて、結果が二転三転していく。結局どうなるのか、最後のページまで楽しめます。最後まで気を抜かずに読んでください。