最適の入門書
★★★★☆
シャンパン初心者に最適の入門書です。シャンパンに関するほぼすべての知識が網羅されていると言って良いでしょう。筆者はいかにもシャンパン通らしく、文章の所々に強い主観と感情のこもった表現が見られますが、それも過度ではなく、頑固親父の熱っぽい語りといった程度で、むしろ愛嬌すら感じます。
前半では、シャンパンの概説から歴史、製法と種類などはもちろん、シャンパーニュ地方の料理から地理まであますところなく記述。読み応え充分ながらも、楽しく一気に読める内容です。
後半の「シャンパンハウス物語」では、大手名門はもちろん、新進中小ハウスまで含め80を超える詳細な解説が付されており、シャンパン選びの貴重なマニュアルとなります。特に、筆者が自ら味わい、主観を含めて記述している記事は、他のマニュアルにはない特徴と言えます。
不満があるとすれば、図版が少なすぎること、そして欲しい情報に素早く到達できるインデックスが欠けているという二点くらいでしょう。初心者はもちろん、シャンパン好きに広くおすすめできる有用な書です。