爽やかな表紙の中身は素晴らしいストーリー
★★★★★
現在、1巻から17巻まで読みました。その中で一番気に入っているこの16巻のレビューを。 この16巻はバトルの応酬。操られ、普段は口にしない言葉を発してしまう葵と、自分を責める"ママ"。 "アクロの心臓"の為に独自に動く由良と、人を殺すことでしか生きれないD2。 太輔の為に軍に乗り込む奈美とマクファーソンの為に戦うD4。 そしてマクファーソンと太輔。 それぞれ形は違えどそこには各々の想いと目的がある。 しかも太輔たちにとっては敵のマクファーソンらについてもここまでの巻できちんと描かれている為、僕らもマクファーソンを「悪の敵」とは見れない。 だからこそD2やD4が傷付く姿を見ると清々しいどころか、痛々しく思えてしまう。 由良についても1部では強力な能力を持つ敵だったが、巻き込まれた形ではあるが太輔たちと共闘するストーリーが良い。 94ページのD2と由良、マクファーソンと太輔、D4と奈美というそれぞれ戦う相手が描かれたカットを見ると胸が熱くなる。 D2の、普段は軽い雰囲気なのに戦いとなると容赦なく攻撃し、たとえ上半身だけになっても、利き腕を失っても銃を撃つという闘志は素晴らしかった。その際の普段、表紙の彼とは別人のような悪魔のような表情が見事。 D4も奈美と戦ったあとの素の女の子らしい表情もまたいい。 ちょこっとではあるが久しぶりの論くんの登場も個人的には気に入っている。杏と一緒にいるところがかわいい。 とにかくこれはかなり読み応えのある話が詰め込まれた巻であることは間違いない。
少し飽きがきてたけど
★★★★★
まさか16巻がここまで面白いとは…久々にこのマンガに引き込まれましたよ
特にD2と由良のバトルは凄かったですね
自分は戦闘だけで十分楽しめましたがこの巻は所々に深いセリフがあり考えさせる
とまぁ小難しいことぬきに楽しめるマンガですね
最終巻まで付き合えそうです
最終進化的人間VS人間
★★★★☆
一巻から読んでいる私にとっては、やや飽きつつある。そんな主観的評価もできるが、どのみち、そんな事をしてはみなにとってはどうでもいい評価になるだろう。
だからこそ今回は作品として素直に評価されたい。
珠玉の62話が収録されている今巻。
D4、D2の闘う理由が暴かれ戦いにしか生きられない悲しい人間と能力者の戦いが描かれた。
特に62話は、変な話、美しいと感じてしまいました。
死は普通は偲ぶべきであるとか、悲しいものだと考えられるが、しかし一辺倒な感情を覆す芸術としての死の形を上手く表現できてると思う。エグイ描写もあるが、儚くて美しい、そう悦に浸ってしまった。
単純に漫画として楽しむ事もできるが、このアライブという作品を芸術として捉えたからこそ、死生観を考え、過去の内なる自分の闇に改めて向かい合うのも、何も飛躍しすぎた思考とは言い切れない。
由良の「美しく散りたい」という美的意識が集約された、ある意味詩的な巻であるのは間違いないだろう。
そして、主人公が命を奪うことに対して嫌悪を抱き、なかなか闘わないのもこの作品における一貫性。
その主人公が揺らぎ始め、なにか内的で心因性が揺らぎ始めたのが今巻である。
叶、由良、ママがキーワードの今回。
間違いなく既刊から揃えている人間にオススメしたい。
アニメ化も進行中ということでそちらもあまり期待しすぎず期待したい。
作中で進化したのは人間だけでなく、進化するアートワーク的な部分も見逃せない。
長々と評価のほど、御愛嬌いただきたい。