意外に上級書への近道
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成生 達彦氏の『ミクロ経済学入門―需要、供給、市場』は日本て発行されているミクロ経済学の教科書の中では数学的な展開を大切にし、各章ごとに数学付録をつけているほど丁寧である。内容も300ページ以下とお手軽である。西村のミクロ、鈴村・奥野のミクロでは少し大変だという学部上級ないしは大学院1回生にはとりあえずこれを薦めよう。この教科書にある各章の数学付録からまず取り掛かり、その後各章の説明を追うことが良いかもしれない。このテキストからすぐにVarianのmicroeconomic theoryへとジャンプすることも十分可能であると考える。Varianの数学はこのテキストの数学と大差はないと考える。ただ、あえてこの教科書にもとめられる点は、問題がついていないことである。