特に,ミクロ経済は一度学んだが忘れてしまった...というような方がぱらぱらと読むにはよいのではないでしょうか.
○:親切な構成になっていて,本題の第2・3部の前後に,第1部としてミクロ経済学の基礎が,巻末数学付録として最適化理論の基礎がそれぞれコンパクトにまとめられている.
×:おいしい分野を寄せ集めた本なので,すでに相当数の本が出版されている第2部(情報とゲーム)は内容的に不十分,第3部(応用ミクロ)は分野に偏りがありどちらも教科書として中途半端な印象が残る.
「はじめに」に「初学者から大学院レベル」の読者を対象に書かれているとあるが,初学者には厳しい.また,第1部はミクロの教科書としてはまさに「必要最小限」であり,説明も少なく,図も小!さい.したがって,中級のミクロ経済学の教科書をマスターしてから読みたいところだが,そのレベルの読者は各分野別に専門書を読むような気がする.