病気と闘う女の子、友達を大切に思うライナスの気持ちが素晴らしい
★★★★★
ただの発熱かと思えば、白血病だった、しかも、化学療法をしなければならないということを、
小さな子供がお友達にはっきりと説明し、その女の子のことを一生懸命守ろうとするライナスのやさしさに感動します。
友人はともかく、きょうだいの気持ちは……
★★★☆☆
絶賛される本なだけに、非常に気になる点があるのでこれから読まれる方・もうすでに読んだ方に知ってほしいことがある。
無論、ガンが「感染する」ということだの、小児ガンの子をからかう子を諌めることだのという内容は、
かわいらしい絵とともに、年齢を問わず伝えられるべきであり、この本をそれを見事に達成している。
しかし、本来なら家族みんなで楽しいはずのクリスマスに姉妹で取り残され、プレゼントの量にまで差をつけられたきょうだいが、
そのことについて愚痴ったからといって、これをよくない行為であると幼い読者にまで伝えてしまう部分に関しては正直いただけない。
せいぜい学校でしかかかわりがなく、しかもジャニスに直接迷惑をかけられているわけでもないクラスメートや上級生(つまり、この本の主題の「ともだち」)が、病気を理由にジャニスを貶めるような発言をするのは勿論いけないことだ。
しかし、きょうだいはどうだろう。勿論、ジャニスには何の責任もない。ジャニスは辛い思いをしている。けれども、同じ家庭で過ごすきょうだいもまた愛するきょうだいが病気になり、親までそちらにかかりきりになり、辛いはずである。
恐らくはジャニスが病気になったことで、ジャニスと同程度といっていいくらい、寂しい思い、辛い思いもしていることだろう。
ましてや小さな子どもであれば、本来ならいるはずの親がいなくなり、一人のきょうだいのところにずっといるということは理解できなくて当然だ。
高校生以上ならばまだしも、(絵から見れば)小学生、下手をすれば幼稚園児のきょうだいが、何故ジャニスのために我慢している自分たちはプレゼントまで少なく、愛情はジャニスにだけいくのだろうと思っても、それは責められるべきことではないはずだ。それは嫉妬という言葉で片付けられる心情ではない。
一カ月や二カ月の辛抱なら「我慢しろ」で済ますことも可能だろうが、ガンなどの場合そうではなく、年単位で闘病するということは、本人だけでなく家族全員の負担であるのは当たり前だ。綺麗事だけではすまされない。
それを、「ジャニスは病気なんだぞ!」と一喝してしまうのを正当化するのは、あまりにきょうだいの気持ちに対して思いやりが足りないのではないか。
学校での読み聞かせなどでも用いられている本なだけに、これを読んだ子どもたち、また親・先生が病児のきょうだいに対してこのような感情をもってしまうとしたらやりきれないものがある。
『おにいちゃんがびょうきになったその日から』という本も同じく絵本なので、併せて読んでいただきたいと思う。
ちなみに、私自身は障害児・病児のきょうだいの心情についてリサーチはしているものの、きょうだい本人ではありません。
スヌーピーと一緒に考えよう
★★★★★
小2娘のためにと思いましたが、6歳(年長)娘でも十分理解できたようです。
昨日まで一緒に遊んでいた友達が、急に重い病気になった。
初めて経験する、理不尽な現実の厳しさ。
不安と戸惑いに押しつぶされそうになりながら、子供たちの取る行動は。。。
病気のジャニスに嫉妬する姉妹やクラスメート、ジャニスをからかういじめっ子、
根拠もなく病気と病気になったジャニスを毛嫌いするルーシー。
みんな、ある意味、普通の子供(大人も?)の反応なんだろうと思う。
それに対して、重い病気とつらい治療に淡々と立ち向かうジャニス、それに、
周囲の反応に深く傷つきながらもジャニスを思いやり、周囲と闘うライナスは、
とても強くてかっこいい。
自分が病気になったら、ジャニスのように冷静に、しっかり病気と闘えるかな。
友達が病気になったら、ライナスのように相手を思いやれるかな。
そんなことを深く考えさせられる一冊でした。
ポールニューマン(彼は、病気の子供が参加するちびっこキャンプの創設者
なんですね)の「まえがき」にも感動です。
さすがスヌーピー!
★★★★★
最初ただ単にスヌーピーが大好きなので買った本。
病気になった子とその兄弟、そしてその周りの子。
いろいろな立場の子が登場します。
大人でも考えさせられるような重たい内容ですが、スヌーピーのおかげで、子どもでもサラッと読めてしまいます。
さすがスヌーピー!って感じです。
いつもはチャーリーブラウンとセットになっていますが、今回はライナスが大活躍です。
愛にあふれた本
★★★★★
重いテーマの本です。
でも、健康な子供に病気に対する正しい知識を伝え、偏見をもたず、どのように接していくかを一緒に考えていける本です。
いきなり白血病に冒されたライナスの同級生のジャニス、彼女は苦しい治療に耐えます。彼女はライナスに白血病がどういう病気で、どのような治療をするのかを説明します。
しかし、ルーシーはまるで感染するかのような偏見をもち、そしてジャニスに意地悪するクラスメートもいます。そういった人々にライナスは悠然と立ち向かいます。
又、特別扱いされるジャニスに対して優しくなれないクラスメートや、ジャニスの姉妹たちも描いてます。
ここで読者は自分がこのような立場だったら「ジャニスにやさしくしたい」という気持ちになるのです。
単に「病気の人は可愛そうだから特別扱いしましょう」ではなく、同等の立場で病気の人に対して愛を持って接する事を教えてくれる本です。
こういうテーマだから子供に読ませるのを躊躇する親御さんもいるかと思いますが、子供は思ったよりずっと賢く色々物を考えています。
難しい言葉は親御さんが説明してあげて、一緒に読んであげてください。
きっとこの本を多くの人が読んだら、世の中にもっと愛があふれると思います。