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魔界都市ブルース 陰花の章 (ノン・ポシェット)

価格: ¥590
カテゴリ: 文庫
ブランド: 祥伝社
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秋せつらは今日も行く ★★★★★
「魔界都市ブルース」は、第一短編集から完成度の高さを伺うことができ、続刊が楽しみになってくる。
本作も、期待を裏切らない。
とくに、アクションやエロスが激しいわけではない(無い、というわけではないが)。しかし、「魔界都市」に生きる人間または区外からやってきた人々の哀愁が、秋せつらの扱う事件を通して、克明に浮かび上がってくる。「こんな人間いるわけないだろ」とか、思えてしまう妖艶怪奇な世界が舞台なのに、自分たちが生活している場所とはそう遠くないように感じてしまうワケは、そこにあるようだ。
浮き彫りにされる「人間」。
それは、妖物であっても、菊地秀行は、愛しさをこめて描く。
シリーズが高品質度を保っている、理由だ。
モンスターズシティ ★★★☆☆
魔界都市に住む妖魔の魅力が引き出され、それぞれの短編のストーリーもまとまっててよかった。
妖物と融合して無意識のうちに破壊を引き起こす少女、鬼に魅入られた女、絵から抜け出てきた妖女、野心と不思議な力を持つ娼婦。
助けを求めてやってくる依頼人は救われることがあるのだろうか。
暗く蠢く魔の領域。
そこに住まう人間は魔物の手から逃れでようと奔走するが、数少ない魔人たちだけが魔界都市を自分のものにしている。
魔界医師がよく登場する巻でもありました。
メフィストの暗い花のような美しさよりも、せつらの月のような冷たい美しさのほうがいいと思う。
どちらも夜が似合うことには変わりないですね。