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天冥の標 2 救世群 (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥798
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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これだけでも良作 ★★★★★
第一巻(上・下)の謎だらけの終わりから、
舞台はほぼ現代の地球に移り、新種の感染症とその防疫を主軸にした話が描かれています。

この巻だけ読んでも問題ない独立したストーリーになっていて、
パンデミックものとして十分過ぎるほど面白い出来映えになっているが、
前作との繋がりや、さらに加わった謎、今後を予想させる終着がさらに奥深さを与えている。
そして再確認する為に、前作を読み返さずにはいられません。

全10巻。5巻あたりまではこういう独立的な話が続くそうですが、
世界観が確定していくにつれ、第一巻の続きが気になっていくのでしょう。
一変 ★★★★☆
1の遠未来異世界冒険譚風から一変、2は日本を主な舞台にした現代パンデミックもの。
読み始めたときは面食らいました(汗)

読み進めるうちに、病気以外にも1との関連性が垣間見えて、どうやらこれが発端の事件らしいことが推測できますが・・・
ここからどう発展させてまとめるか、小川一水氏の手腕に期待。
驚きの急展開 ★★★★★
待望の第3巻。
覚悟していたよりも早いリリースで、嬉しい驚きでした。
早くとも今年の夏くらいかな、と思っていたので。

それにしても、今回は背表紙の粗筋を読んだ段階で「ちょ、おいィ!?」ですね。
前巻までの遠未来から、いきなりの現代劇。
しかも相変わらずのハイテンション&ハイクオリティ。
この第3巻が単体で出版されたとしても、未知の病原体によるパンデミック物として、
そこいらの凡作を蹴散らす完成度。

猛威を振るう未知の病原体、パンデミックとの絶望的な闘いに身を投じる医師、
過酷な運命に翻弄される患者、大きな変容を迫られる国際社会・・・という緊迫感
みなぎる展開の中、前作に登場した謎の発端が明らかとなり、登場人物や数々の事件の
中に、前作でさほど注目せずスルーしていた伏線との関連が浮き上がる・・・。

大袈裟だと笑われるかもしれませんが、読み進めながら興奮にうち震えましたよ。

大切に、少なくとも1週間くらいかけてじっくり読もうと思いきや。
読み始めた途端、ページを繰る手が止まらなくなり、気付いたら3時間で読了・・・orz

そして、『メニー・メニー・シープ』と『救世群』の間に、見落とした関連性がないか
どうか気になってしょうがなくなり、本作を読み終えるやいなや、そのまま前作の再読を
開始する自分がいた・・・。

こういうSFを読むと、自分が日本人でよかったとつくづく思います。
日本人じゃなかったら、恐らく出会えなかったでしょうから。
面白いなんて言ったらもったいない ★★★★★
大長編の第2巻と言うことですが、この巻だけでもストーリーが独立しており、著者のブログにもありましたがこの巻から読んでも全く問題無い内容です。
第一巻でも出て来た伝染病がメインのお話しです。
今回は、著者の少し前の短編集でも題材にされているパンデミックとそれを取り巻く社会の対応についてがテーマになっています。SF色は比較的低く、時代設定が201X年とほぼ現代ということもあり読んでいてそら恐ろしくなる反面、非情な現実にも立ち向かう登場人物が力強く描かれていて、作者の愛情を感じます。悲しくて、辛くて、怖くて、強くて、優しくて、逞しい。
テンポが良いストーリー展開に読み始めたら止まらず、一気に読了してしまいました。
この長編は必ず後世に残る名作となるはずです(言い過ぎかなぁ(^_^;)、読んで損はない!
要素の付加による形質の変化 ★★★★★
 時間は巻き戻り、西暦2010年代の日本に舞台は移る。国立感染症研究所に所属する感染症専門医の児玉圭伍と矢来華奈子は、アウトブレイク発生の報を受け、パラオに向かう。到着した島で初めに見たものは、浜辺に転々と転がる人の死体だった。
 多数の犠牲者を出しながらも、一次感染者の特定と檜沢千茅と一名の回復者という結果を残し、封じ込めは成功したかに見えたが、その淡い期待は破れ、世界的大流行につながっていく。

 冥王斑と名づけられた感染症は、その圧倒的な感染力と致死率もさることながら、回復者の体内に残るウイルスが感染力を失わないということに大きな特徴があった。つまり、回復しても一般社会に戻ることが出来ないのである。
 この事実は、未感染者と回復者との間に亀裂を生じさせる原因となっていく。

 奇数巻と偶数巻で時代を行ったり来たりしていくのだろうか?1巻で登場した謎の用語たちの来歴が、近未来のパンデミックを取り巻く出来事から明らかになる。
 治療をする医師の現場と、感染症の封じ込めという政治的立場、未感染者と感染者、そして回復者という様々な立場から、一つの事件が語られる。マイナスをプラスに変えようという人間の変わらぬ営みが作り変えていこうとしている世界とは?
 こちらのお話もまだ先が長いようです。