鳥肌が立ちました。

前作は奇抜で面白くてエネルギッシュなエレクトロ・ポップという印象でしたが、
今作は色々な音が増減して絡み合うところは残しつつも、
はっきり言って別物の音楽、いきなり王道とも言える路線に乗り込んで来て
誰もが文句の一つも言えぬような圧倒的な力を見せつけてくれた感じです。

共同生活の中でお互いの意見をぶつけ合い、
いくつものアレンジを試して練り込んできたというだけあって、
音の広がり、展開が深くて何回も聴かないと本当の姿が分からないような楽曲ばかり。

リード曲の「スパニッシュ・サハラ」「ディス・オリエント」だけじゃなく、
全ての曲が作りこまれていて無駄がなく、心地よく聴くことができます。

もしかしたらこれは歴史に残る名盤なのではないかと思えるくらいの１枚。
とにかく一度聴いてみて欲しいです。

なお、日本盤の特典はリード曲の別アレンジバージョンが３曲となっています。
これはこれでアリですがオリジナルの方が完成度が高いので輸入盤で十分かもしれません。

ファーストアルバム『解毒剤』と構成されるサウンドの要素に大きな変化はありません。でも、何段階も飛躍してます。
『解毒剤』の時から一つの曲にたくさんのアイデアが満載でした。『解毒剤』の時はそのアイデアをとにかく一曲に詰め込もうとしてる感じがしましたが、今作はアイデアの数は変わらないけどそれを余裕を持ってゆっくり聴かせてくれます。そのため曲の長さが前作より長いけど、全然飽きないしというより細かいとこまでしっかり耳に届き彼らの音を満喫できます。
ボーカルもグッと落ち着きエモーショナルです。音も歌も研ぎ澄まされ前編に渡って緊張感がありますが、ブロック・パーティーのセカンドのようなダークな重苦しさは全く感じられません。
一曲目から始る震えが最後まで止まりません。