復刻 「米国の世界侵略」 大東亜戦争調査会研究報告書④ 第四巻(全5巻) 呉PASS復刻選書35 (新漢字、新仮名遣に改)
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A5版、180ページ。昭和19年に発行されたシリーズ第四巻。序文を掲載する。ルーズヴェルトの世界制覇政策が、ヨーロッパ戦争の世界的拡大化に大きな責任をもつことは、何人もこれを否定し得ないであろう。彼がニュー・ディールに行詰って、第二次大戦勃発前から、ヨーロッパの危機に対して、夙に干渉政策の肚をきめ、開戦以来ぐんぐん参戦の方向へ米輿論を引摺って行ったことは、米政府が自ら白書中にこれを認めている。この間ルーズヴェルトは、徐々に中立的立場から非交戦国の地位へ移行しつつ、大統領の経済独裁権、徴兵制の実施、武器貸与法という風に、着々と国内の臨戦態勢を整えて行くと同時に、他面米加共同防衛の協定、カリビアン海よりの欧州勢大駆逐、ラテン・アメリカ諸国の統御等によって、漸次西半球全体を米の足下に収めたのみか、グリーンランド、アイスランドまで侵出し、枢軸諸国に対して頻りに威嚇的外交攻勢に出たことは、今なお世人の記憶に新しいところである。欧州動乱を世界戦争に拡大せしめざることはアメリカの責任であり、もしアメリカが日本と協力せばよくこれをなし得たであろうことは、屡々米朝野の有力者に向って警告せられた。しかるにルーズヴェルトの干渉政策は、驀らに世界的動乱の激化へと突進んで行ったのである。のみならず彼の世界制覇の野望は、大東亜戦争以来益々露骨となり、豪州、アフリカ、西亜、印度、重慶へと、軍事的・経済的侵略の歩を進め、老英帝国の勢力圏内においてすら、これに代位せんとする情勢を示している。本篇は米国の世界制覇政策を述べたものであるが、既刊の「米英挑戦の真相」「米英の東亜攪乱」「米英の東亜制覇政策」の諸分冊と共に、米の戦争責任を明らかにして余蘊なきを信ずる。昭和十九年一月 堀内謙介 大東亜戦争調査会委員_有田八郎・後藤文夫・石田礼助・酒井鎬次・石原広一郎・佐藤市郎・伊藤述史・澤田康三・今井登志喜・高石真五郎・大蔵公望・高田元三郎・太田正孝・徳富猪一郎・神川彦松・平野義太郎・高坂正顕・堀内謙介・小林躋造・松下正壽・郷古潔・三宅哲一郎※※本編執筆者氏名_神川彦松(東京帝大教授、法学博士、本調査會委員)・工藤信一良(毎日新聞欧米部長)・白鳥敏夫(代議士、元駐伊大使)・田村幸策(法学博士)・百々正雄(情報局嘱託)・平野義太耶(太平洋協会調査部長兼民族部長、本調査会委員)・三宅哲一郎 (元駐チリー公使、本調査会委員)