この51分のビデオは、スティーヴがいつも何気なく接している身の回りのものに注意を向けるところからはじまる。スティーヴとビデオを見ている観客は、ブルーが外で何を見たのかをブルーズのヒントから突き止めようとしながら、物体は見る角度を変えるとこうも違って見えるのかということを学ぶ。例えば、動物の足跡を鏡に映したり、棒の束を水の入った花瓶を通して見たりすると違って見えるというように。ブルーがスティーヴに渡した万華鏡を使って、本や蝶々やメールボックスの手紙を映した画像は子どもたちとってはさらに興味深いだろう。また、この「見方を変えること」と「推測すること」を駆使して、スティーヴと観客はスクウィール（りす）が誰に呼ばれているのかをいっしょに考えてあげる。
   2つめは、スティーヴとブルーの家のまわりで聞えてくるミステリアスな音についてのお話。スティーヴはブルーがたった今玄関先で聞いた音が何なのか突き止めようとしながら、自分もいろんな種類の音に興味をそそられる。蛇口から漏れる水の音、流れの激しい小川の音、そしてポンポンはじけるポップコーンの音などに。スティーヴが小川から家に戻るとき、完全にパントマイムだけで動いているのだが、これが素晴らしく上手い。また、スティーヴとブルーが無声映画に音を付けようとするエピソードもとてもおもしろい。このブルーズ・クルーズを見終わったら、あなたも子どもたちを連れて外に出て、自然の音色に耳を傾けてみてはいかがだろうか？（Tami Horiuchi, Amazon.com）