やっぱりグイグイ引き込まれます!
★★★★★
物語はヒーローが伯爵家の庶子として、父親の友人であるヒロインの父親の元に預けられたところから始まります。
そこにはヒーローの腹違いの弟、つまり伯爵家の嫡出子もいて、ヒーローはその弟に屈辱的な扱いをされて幼少期を過ごします。
そんな中、ヒロインは逞しくて端正な顔立ちのヒーローに幼いながらも恋心を抱きます。
しかし幼いゆえに相手にされず、しかもヒーローは不祥事を起こしたためにヒロインの家を追い出されたので、この時の初恋は苦い思い出を残したまま終りを告げます。
そして数年後。ヒーローは騎士として武勲をたて、国王に爵位と領地を与えられた国の英雄としてヒロインの前に姿を表します。
しかしヒロインは嫡出子のヒーローの弟との結婚が間近。
結婚したくないヒロインはヒーローに一緒に逃げてほしいと懇願するのですが、聞き入れてくれません。
そしてそのまま望まぬ男性と結婚したヒロイン。
しかし初夜の寝所にやってきたのは夫ではなく、復讐のために弟の花嫁の純潔を奪おうと企むヒーローでした。
この一夜の過ちから二人は数奇な運命を辿ることになります。
二人の関係は、ロマンスの世界ではほぼ皆無といっていいジャンルの「不倫」です。
正直な所、私は不倫モノは少し苦手なのですが、この作品は夫が救いようのない悪人ということと、ヒロインが夫とは関係していないという事実のおかげで、あまり不倫という感じがしません。
しかし、禁断の恋の切なさや、これが最後だというような刹那的な愛情など不倫モノの好きな部分はバッチリ堪能できました。
官能的で情熱的なグイグイ引き込んでくれるコニー・メイスンの世界ももちろん健在で、個人的にはこの作者の翻訳されている作品の中で「誘惑のシーク」に匹敵するほど好きな作品です。
屈強な”黒騎士”がカッコいい!
★★★★★
また同じパターンかな、、と思いつつ読んでみましたが。
意外や意外、「愛と復讐の黒騎士」というタイトル通りの
黒い鎧で全身、身を固めた屈強な”黒騎士”像がすごくカッコいいんです!
騎士と言えど、男の本能、欲望に弱い所や人間臭さも全部ひっくるめて(笑)
さらに馬上槍試合の装備、決戦模様等では
中世の男達の戦う場面がリアリティー溢れ、ついつい時間も浮世も忘れ〜どっぷりメイスン・ワールドへトリップできて映画のワンシーンのよぅ、堪能できます♪
毎度お約束の波乱含み、怒涛のようなパターンではあるものの、
今回は思ったほど陰湿な拷問シーンがない分、やや安心して読めたと思います。
欲望のはけ口等、女性目線からするとかなり切ない箇所があったり、
試練のジャブが次々襲ってきますが、その合間のHOTな官能シーン
(特に”髪を梳く”)のシーンは、ドレイクのレイヴンに対する愛おしさが
こみ上げるように伝わってきてシビレタ^^
”騎士はおのれの苦痛をかえりみない〜”等、
各サブタイトルも素敵でした!