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新しいアナキズムの系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 河出書房新社
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いまや世界中で、いろんな人々がグローバル経済に対して人類学的闘争をしています ★★★★☆
 全てがマネーの力学に取り込まれ、均質化と商品化されてゆく状況に対する、解体、闘争、逃走といったような「人類学的闘争」の戦略や思考原理に触れることができます。

 例えば、地球環境保護の観点はあるが、人間の生存環境・諸関係の保護の観点のないエコロジーに対して、「一般的エコロジー」が紹介されています。目に見える人間の死=個体の破壊という現象の前に、遥かに見えにくい諸関係の破壊、切断が問題圏として含まれているのが一般的というか全般的なエコロジーなのです。見えない殺人、見えない殺人未遂としての環境=関係破壊…頼むから人間の生存環境も保護対象にしてくれということです。

 資本の蓄積と利潤の方向とは別の、希望や欲望の原理に基づいた生がありえます。
 しかし、「欲望」といった言葉がカウンターカルチャー時代みたいにフリーセックスなどを想起させると、良識ある市民を遠ざけてしまうだけでしょう。アナキズムとかも同じく健全かつ受動的な市民を怖がらせる言葉です。
 「良識」「倫理」といった言葉と「希望」「欲望」といった言葉を和解させることが運動の方向と言えるかもしれません。

 また、資本原理に汚されていない最後の聖域としての「再生産労働」。それは、マネー経済を解体する恐るべき力を秘めている一方で、業績の悪化等で逃げ場を失った企業がどさくさのうちに内部に再生産労働を取り込んでしまうというような一種のカルト化も考えられないことではありません。
 再生産労働の聖域を守り、価値を高めてゆくことが必要です。一方で闘争原理によって作られている企業があってもいい。というか求めれれているのはそんな会社なんです。

 発想、考え方のパターンを切り替える個人個人こそが反グローバリズム闘争の起点であり核心なのです。資本に犯されているのはまずは人間の脳みそというか発想だったのです。
 
現在進行中の「新しいアナキズム」 ★★★★☆
本書のいう「新しいアナキズム」とは、体系的な理論でなければ、ドグマでもイデオロギーでもない。現在進行中の反権威主義的な諸々の思考と運動を指す。そして著者は、「新しいアナキズム」が指向する社会変革とは、これらの思考と運動を水平的/網状的なネットワークによって組織化することであると指摘する。そして世界各地で展開している、民族運動、労働者運動、フェミニズム、環境運動等、様々な領域における「新しいアナキズム」の思考と実践の数々が紹介されている。

決して読みやすくはないが、ポストモダンにおける社会運動のあり方を考える上で有益な本だと思う。