ギリシャの人たちがなぜ蜂起したかを知るためにも
★★★★★
ついに、ようやく、このテクストが日本語で読める。
感激で胸がいっぱいだ。
なぜフランスで「タルナック事件」が起きたのか。
なぜギリシャではあれほど大勢の人たちが、怒りに燃え、路上の抗議を続けているのか。
なぜいまの世界はこのようになっ(てしまっ)たのか。
新自由主義は終わったのか/その先には何があるのか。
…といったことを考えている・考えてみたい方に、心からおすすめしたい。
悲しみ、辛辣な皮肉、絶望的な笑い、
生の渇望、歓び、幸福に生きたいという願い、自分と「人間」への愛。
これらの情動が迫力ある文体に複雑に織り込まれているのも大きな魅力。
これは文学だ、未来を語る叙事詩だ。
(おそらく原文も訳文も そうとう鍛え上げられているのだろう。)
小さな本だけれど、一語一語、ゆっっっくり読まないと、もったないし、大事なことを見落としそうだ。
ほんとうのことが書いてある書物というものは、歴史的に、
重いところでは著者の断罪弾圧・焚書、軽めのところでは黙殺・誤解等々、
さまざまの憂き目にあってきたのだろうが、
いま日本で、この本を買って読むことができる幸福をかみしめたい。