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母親の知らぬ間に、息子が妻子をもうけていたのだが、
それを知って母親は特に怒るでもなし、非常に驚くでもなし、
淡々としていたのはなぜか。今とは社会的常識が全く違う。
そういう時代だったのか?
この辺がよく理解できなかった。
人生の悲劇の第1章は(T_T)
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一人息子に久々に逢う母。そこには、初めて逢う嫁と孫。飯田蝶子さんの優しい演技に魅了されます。変わらず繰り返される親と子の繋がり。時代を超えた歴史に残る素晴らしい映像の一つと思います。
センチメンタルなリアリズム
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他の小津映画でもロケ地だった郊外の原っぱと大きな工場群、そしてその周囲の貧しい庶民街。。東京は田舎から夢を抱いて出てきた庶民がひしめき合って生きる「そんな街」なんだということを淡々と映したドラマ。(そして、いつの時代も田舎から出てきた者にとっては、このセンチメンタリズムが「東京の味」である。三重出身の小津だから描ける哀愁だといえよう。)
寂しいあらすじの中でほんのりと母子の愛情を混ぜる、リアリズムとヒューマニズムのブレンドがこの作品も素晴らしい。(このブレンド具合も悲哀の味に収まってるのが、真摯で良い。)
時代や国を変えても、この映画で扱われているような人間模様は変わらないから、今でもこの作品は世界中で愛されているのだと思う。「ハリウッドに比べて予算が少ないから邦画が面白くない」なんて意見は作り手の怠慢だということが良く分かる、和服とちゃぶ台の映画。
なお、この作品は小津初めてのトーキー映画だが、劇中に親子が映画館で洋画を見ながら、息子が母に「ねえ、これがトーキーっていうんですよ」と話しかける台詞がある。(しかし、母親は退屈して居眠りしているのであった。)こんなユーモアと映画への愛情が時折挟まれるのも小津シネマの魅力だ。(なお、引用されている「未完成交響曲」(ヴィリー・フォルスト)はこの映画の3年先に発表された映画である。そんな新しい作品を長々と引用するというのも中々今の映画業界では難しいのではないか。)
この廉価版発売でもっと小津シネマがポピュラーになってほしい。(現代では文芸ファンの占有物になっている小津シネマだが、そもそもは毎年正月に新作が公開された山田洋二作品のような大衆的存在だったのだから。)まずはこの廉価版DVDの商品企画・販売会社に拍手。
トーキー第一作目にしてすでに高度な完成度を誇る名作
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小津安二郎監督のトーキー第一作。 この作品は長い間見たい思っていたのですが、やっと夢がかないました。 時代は変わっても永遠に変わらない親と子の葛藤の物語。 中盤の母子の口論の場面の息をのむような力強さとクライマックスのダイナミックな場面転換、そして映画の定石を踏まえたホロリとさせられる予定調和を入れて観客を安心させつつも、安易なハッピー・エンドには決してもっていかない作家根性。 いやはやまさに映画を知り尽くしたプロの作品です。 小津ファンでまだ未見の方には迷わず購入をお勧めします。 それにしても笠智衆さん演じるキャラクターの描かれ方には空恐ろしいものがあります。
昭和11年作ということで、さすがにフィルムは相当痛んでいますが、映像は一応きちんと見え、聞こえます。 以前はボックス・セットとして販売されていたため手が出せなかったのですが、このような単品発売はうれしい限りです。 メイン・メニューも映像特典もついていないし、終わればループしてまた最初に戻るという仕様の商品ですが、値段を考えれば文句はありません。 むしろこういった廉価版で、古典作品をもっと発売してもらいたい(勿論、このディスクの様な望みうる限りの最上のクオリティで)ものです。 松竹の倉庫には清水宏、島津保次郎、五所平之助といった、戦前の名匠達の埋もれた名作群がまだまだ手つかずのまま眠っているのではないのでしょうか? それらは日本の財産なのですから。