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トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー (角川文庫)

価格: ¥940
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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19世紀から6世紀の騎士たちの時代へ ★★★★★
子供のとき家にシドニー・ラニア編の「アーサー王と円卓の騎士」という綺麗な装丁の本があった。
本をめくるたび、アーサー王や、湖の騎士サー・ランスロットの冒険に胸を躍らせたものだった。

小学校高学年のとき、学校の図書館で、「アーサー王宮廷のヤンキー」(微妙に本のタイトルは違ったかも知れない。。。)を見つけ、アーサー王と円卓の騎士たちの物語だと思い、借りて読んだ記憶がある。

こちらは一転19世紀のアメリカ人が工場内の喧嘩でバールの一撃をくらい、6世紀のアーサー王の時代にタイムスリップしてしまうという斬新なもの。
19世紀の科学技術と歴史知識を背景に、アーサー王宮廷でのしあがっていく、SFファンタジー成り上がり物語。
アーサー王をはじめ、ランスロットも、ガーウェインも、高潔な騎士たちは、愚かで頑固で、悪しき旧弊の代表として扱われていた。
騎士道精神に胸躍らせていた少年が、がっくりきたかというとそんなこともなく、今度は単身旧時代の改革に挑戦するヤンキーの姿にわくわくしたものだった。
恐らく、小学生のときに読んだのは、字の大きさや本の厚さからして、子供向けの省略版だったのではないかと思う。


今読むと、6世紀の政体を滑稽に描写しながらマーク・トウェインの時代に至るまでの政治や道徳、教育といったものを風刺する形になっているのが見てとれます。
人間は若いうちから教育をし続けなければ、ただちに愚かな人間となってしまうという教訓めいた話も多いし、時代が時代なので人の命が奪われるシーンも多いですが、語り口やストーリーがユーモアに溢れているので、不思議と明るく読めてしまう楽しい作品です。