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高層の死角 (祥伝社文庫 も 1-25)

価格: ¥670
カテゴリ: 文庫
ブランド: 祥伝社
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歴史的な意味だけかな・・・ ★★☆☆☆
のち角川商法でベストセラー作家となった森村の出世作。しかし、途中での飛行機をめぐるアリバイ崩しは別に新味はなく、最後のホテルでのチェックインのアリバイ崩しはまあまあだが、逆に犯人がそこまで考えるかという疑問もある。
 なかんずく、刑事と女と犯人の三角関係めいたものに、一向にリアリティがない。そこが描けていなければただのトリックのための添え物のファンタジーになってしまう。
 まあしかし、世評的にもこんなもんだろう…。
第一級の推理小説 ★★★★★
いやー、ここまで本格的な推理を追求した小説は他にないでしょう。
著者がホテル業界に詳しかった経緯もありますが、それにしても一つ一つの推理の巧みさが見事であり、読者を唸らせます。
流石に江戸川乱歩賞を受賞しただけのことはあります。

人間ドラマとしての読み応えもあります。
特に平賀刑事の執念の追跡は、殺された者への愛と刑事としての使命感が伝わっていて、読んでいながら一緒に捜査をしているように感じます。

密室というトリックや時間的な制約があるアリバイ崩しに挑んだ本格推理ものです。
是非、皆さんにも読んでいただきたい作品です。
鉄壁のアリバイトリックを突き崩す刑事の情熱に投影された作者の魂! ★★★★★
私もようやく森村誠一氏が長編推理小説の新鋭としてデビューした作品を読む機会に恵まれた。しかし、読み終えてどっと「疲労感」を覚えた。読み進めると中断できないことは事前に分かっていたが、本書はとにかく犯人が仕掛けた多くのアリバイトリックを暴くことに主眼があり、刑事が1つのトリックを解明してもまた次のトリックが浮上するというシナリオになっており、とにかくある意味で、真っ向から「格闘」しなければならないのである。それは担当刑事の次のような発言からも明らかだ。(刑事の)「小林はうんざりした表情を隠さなかった。この犯人のバリケードは全く無限のような感がしたのである」(278頁)。失礼ながら、私もこうした感想をもった一人である。そしてできればタイトルにある「高層」という言葉通りのアリバイトリックで最後を締めくくってほしかった(最後のアリバイはホテルにおけるチェックインの時間帯の適合性に関するものだから)。しかし考えてみると、作者自身がこうした構想を考え付いたことに敬意を払わざるを得ないし、更に「解説」を読んでみて、作者が本書をわずか一ヶ月足らずで執筆したことに驚嘆しないわけにはいかない。刊行年は私が生まれる前の1969年であるが、今読んでも全く違和感がない。それどころか、かえって新鮮味があるような気さえするのである。資本主義社会における熾烈な企業間競争(本書ではホテル競争)や犯罪の国際化・広域化の様相などは、現在のグローバル経済に見事にマッチしているからだ。高層ホテルや国際線に絡めた幾重もの厳戒なアリバイもなかなか崩れないゆえの疲労感ではあったが、それはまた十分な高揚感や緊張感を伴っての疲労感に他ならない。それだけ本書は読み応えがあるだけでなく、作者の全身全霊が注入されたまさに「運命の作品」(著者自身の言葉)だったわけである。本書を読めばそれが十分に実感できると断言しておきたい。
ホテルのディテールは魅力ですが… ★★☆☆☆
ホテルに10年勤めていたという経歴を活かした、ホテルのディテールが魅力の密室&アリバイもの。

二重の密室の謎や、ホテルの鍵の管理からフロントでの受付に到るまでのシステムは、ホテルには縁がない私にはもうひとつピンとはきませんでしたが、それなりに面白くはあります。

ただ、2つめの殺人では九州の殺人と、東京在住の容疑者のアリバイが問題になり、ひたすらアリバイ崩しになってしまいます(いちおう最後にはホテルのシステムの問題に戻るのですが)。確かに第2の被害者を主人公の刑事の恋人とすることで、情緒的な絡みが機械的な単調さをなくしてはいるおものの、やはり時刻表とにらめっこするというパターンは「ふーん。だから?」という感じになってしまいます。

やはりホテル内だけで全てを完結させるくらいの気概(?)がほしかったと思いました。