二重の密室の謎や、ホテルの鍵の管理からフロントでの受付に到るまでのシステムは、ホテルには縁がない私にはもうひとつピンとはきませんでしたが、それなりに面白くはあります。
ただ、2つめの殺人では九州の殺人と、東京在住の容疑者のアリバイが問題になり、ひたすらアリバイ崩しになってしまいます(いちおう最後にはホテルのシステムの問題に戻るのですが)。確かに第2の被害者を主人公の刑事の恋人とすることで、情緒的な絡みが機械的な単調さをなくしてはいるおものの、やはり時刻表とにらめっこするというパターンは「ふーん。だから?」という感じになってしまいます。
やはりホテル内だけで全てを完結させるくらいの気概(?)がほしかったと思いました。