テメレアの成長がいい
★★★★☆
中国からイギリスにみんなで戻るはずが、傷心(?)のリエンに邪魔されて……。というところの話。
旅をしている間、ひもじい思いをしたり、仲間を亡くしたり、仲間が増えたりして、目が離せなかった。
その間にテメレアがどんどん成長し、自分でいろいろなことを考えて発言するのに、共感できた。これまでテレメアの大きさがぜんぜん実感できなかったけど、今回、300人は軽く載せられる、とテレメアが言っていて驚き。具体的な描写がどんどん増えていって、テメレアの世界が広がっていき、次作が待ち遠しい。願わくば、半年以内に刊行してほしい。
最高ですね!
★★★★★
1巻が出て間もない頃に読んで、たちまち虜になりました。当時、既に原作は4巻まで刊行(現在5巻まで出てます)されていたのですが、和訳は年末に1冊ずつのローペース。早く続きが読みたい〜。英語が出来ない自分のアホっぷりが呪わしいです。ナポレオン戦争がベースとなっていますが、必ずしも忠実でない(そもそもネルソン提督がトラファルガーで戦死していない)ので、歴史を勉強しても、あまり続きの展開は予測できないと思われます。阿片戦争・・・起きないといいですねぇ。あの戦争は、英国の恥です。ローレンス氏が耐えられるものではありません。彼なら、「ウィリアム親父」こと(ローレンスと同じファーストネームですね)偉大なる英国首相グラッドストン(登場してくれないかな〜)と共に、母国の愚行阻止の為、断固戦うでしょうが。
1巻が出た時に、和訳に対する批判があったようですが、どこがいけないのか私には分かりません。原文を読んでいた方々によると、違和感がある、という事なんですが。英文が理解出来ない私が言うのもなんですが、読みやすくていいと思うんですけど。そもそもこの本を手に取った理由の一つが訳者の那波かおりさんが手がけた「ダ・ヴィンチの白鳥たち」(エセックス著)が面白かったからなんですよね。テメレアやイスキエルカの口調がとても可愛くて、私は好きです。
この作品に、唯一文句があるとすれば、どうして、あの彼とかこの彼とか、私が目をつけてたBoysが次々死んでゆくのよう。
息をつく間もない怒涛の戦い
★★★★★
テメレア戦記シリーズ第三巻です。
ヨンシン皇子の葬儀を終え、中国を後にしたテメレアとローレンス。休息を取る間もなく、すぐに次の任務が舞い込みます。その任務とは、オスマン帝国で貴重なドラゴンの卵を受け取りそれを無事英国に持ち帰ること。そのためには過酷な砂漠越えに挑まなければなりません。
中国でドラゴンと人間が対等にあるいは敬われている現状を目の当たりにし、奴隷のように扱われている英国の現状と見比べ改革を求めんとするテメレア。テメレアを支持したくても戦時下という中で立場上その意見を完全に認める事ができないローレンス。二人の間で幾度となく交わされる会話は人と竜のそれではなく、まさに我々人類が問い続けている戦争とは何かという深い問いを代弁しているかのようです。
最愛の守り人を失い復讐を誓うリエン、それ以上に強大に立ちはだかるナポレオン。二つの力がローレンスとテメレアをさらなる戦火の渦へと引きずり込んでいきます。
まだまだ続く、テメレアシリーズ。期待しています。