「テメレアの卵に躓いて、今までの人生から大きく、すっ転んだローレンス」の様な感じ、からの始まり
★★★★★
主人公・ウィリアム・ローレンス率いるイギリス海軍が、フランスの船上での血なまぐさい戦闘、まさに(後からテメレアが言うところの)「(僕を)勝ち取った」から物語は始まる。
ドラゴンに関する少ない知識によると、どうやら生まれたドラゴンにすぐに話しかけてハーネスをつけないと「野良ドラゴン」になってしまう、らしい・・・(野良猫より大変な話だ、と想像・・・)しかも、ドラゴンと話した者はドラゴンと共にいなければならない(つまり「空軍への転身」となる)。
ところが生まれたドラゴンは、くじ引きで選ばれた(話しかける役目の)不運(?)な若い海尉には目もくれず、第一声を船長であるローレンスの目をみつめたまま「なぜ浮かない顔をしている?」と言う。その瞬間からローレンス&テメレアのコンビが誕生。テメレアは生まれた時(あるいは卵の中でローレンスの声を聞いた時からだろうか?)からローレンスまっしぐら(何せ、自分でパートナーを選んだのだから)。一方、ローレンスは、まぁ、色々葛藤する。ここがドラゴンと人間の違い、もしくは人生経験の違いだろうか?
ローレンスとテメレアの、戦闘や出来事を通して絆が深まり、お互いにかけがえのないない存在になっていく様子が、読んでいる方が照れてしまうような言葉からも、うかがえます。
●例●ローレンスが担い手に世話をしてもらえないドラゴンの体を拭いてあげている場面では、目を細くして威嚇の声まで出して可愛いヤキモチを焼いているテメレアの場面があります。そんな剣幕にちょっと驚いたローレンスが優しく言っても「貴方は僕のものだ(原作でも、そのまま「You are mine.」でした・・・)」と(火でも吐きそうなくらい)独占欲丸出し。でもその後に「でもレヴィタスは僕より体が小さいから拭くのも楽だよね?」と恐縮して言うテメレアがとっても健気でキュートvそんなテメレアに「君がLaetificat's sizeの倍の大きさでも綺麗に拭くさ」(のような事)と愛情あふれる事を言うローレンス。
数あるお気に入りの中で、この場面が微笑ましくて好きです。
作中でのローレンスは奥手のイメージがあるが、テメレアに対しては結構、気恥ずかしい(まぁ、本音だから仕方ないが・・・)言葉を言っている気がする。しかも、ほぼ天然。(テメレアに関しては「ローレンス至上主義」なので、あえて何も言うまい・・・)
これから舞台は、中国、中東と世界は広がっていくので、二人の活躍が待ち遠しいです。
大人になっても素直で天真爛漫なテレメア、ドラゴンに対する愛情たっぷりのローレンス、彼らに早く会いたいです。