反日の老害か稀代の天才か
★★★★☆
主にタイトルの二つの評価、もしくはその中間に田原総一朗の評価は分かれる。
本書は、田原総一朗が週刊読書人に連載したコラムを集めたものである。
2001年のものも収載されており、小泉政権時代を思い出しながら読むと、
当時の雰囲気が蘇る他、当時話題となった事象を懐かしみながら読む
というシチュエーションが自然と多くなるだろう。
最近のコラムの収載量はそれほど多くはなく、全体として新鮮味に欠ける。
そういった観点からみると、本書はやや物足りないかもしれない。
とはいえ、田原総一朗のものの見方、考え方が実によく現れている本であり、
2000年〜2010年までの十年間を考察する上で参考になることは確かだ。
タイトルにも挙げたように、人々の田原氏の評価は複雑で、大きく分かれている。
彼に一体どのような評価を下すか、それを考える上でも有効な一冊だろう。